関東ではイナゴの脚を取って佃煮にするらしい
下の写真は先日山形県に帰郷した際に買ってきたイナゴの佃煮である。子どもの頃はごくフツーのおかずで、よく食べていた。カリカリとした食感で結構おいしい。
あまりフツーに食べていたから、小学校に入る前ぐらいまでは「イナゴって茶色の虫」だと思っていたほどである(ゴキブリじゃあるまいし)。小学校ぐらいになって、初めてイナゴは田んぼで網を振るえば獲れる緑色の虫だと知った。茶色になるのは砂糖醤油で煮付けるからである。
で、今回これを買って帰ったので(近所のスーパーでごくフツーに買える)、近所の知り合いと「イナゴの佃煮談義」になった。若い連中は「そんなの食べたことない」と言うが、私ぐらいの年配の者は大抵「ああ、昔よく食べたよね」と言って懐かしがる。
ところがその「イナゴの佃煮談義」で明らかになったのは、つくば周辺では捕獲したイナゴを袋に入れたまま一晩放置して糞を出させた後、一度熱湯に浸けて柔らかくし、一匹ずつ脚を取ってから佃煮にしたということである。まあ、脚を取ると言っても後ろの一番ゴツい脚だけのようだが。
私の故郷では糞を出させてから煮込むのは当然としても、上の写真のように脚なんか付けたまま煮込むから、「そんな面倒なこと、フツーしないでしょ」と信じられない思いである。ところがこの辺りの人はおしなべて「脚を取らないとチクチクして食べにくい」と言う。確かにチクチクすることはするが、私としてはその野趣こそがイナゴ料理の持ち味という気がするが、それは通じないようなのだ。
とはいえイナゴの佃煮如きでそんな面倒なことをするのは、にわかには信じがたいので、「イナゴの佃煮 脚を取る」の 2語でググってみると、多くの地方で脚を取ってから調理することが判明した(参照)。ざざむしさんという方のサイトの「イナゴは普通に食べ物やろ」という記事には次のようにある。
最近は脚に文句言う贅沢な人が増えたので羽と跳び脚をもぎましょう。
気にしない人ばかりの時は面倒なのでこの工程は必要なし。
ということは、関東圏の人は(ざざむしさんがどちらにお住まいかは不明だが)、「脚に文句を言う贅沢な人」が多いということなのだろう。山形県の人間には本当に、贅沢この上ないことのように思えてしまう。
私の馴染んだイナゴの佃煮といえば、上の写真のように脚が付いたままのものだから、まさに「所変われば品変わる」である。
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コメント
10歳のころにイナゴの佃煮を食べさせられそうになって号泣した私が言わせてもらいますよ(笑)
羽・後ろ足付きだと見た目がゴキっぽくてどうもね~( ̄ー ̄)
それらをとっちゃえば、エビの佃煮っぽくみえんじゃね?( ̄ー ̄)味もソレ風だし。
投稿: 黒兎男爵 | 2019年5月14日 21:53
母の実家が「長野県北部地方」なんで、うん十年前当時、足つきも足なしもいただきました。
ご近所さんからいただくモノは、足つきもあり。
祖父が会合などから持ち帰る折詰なんかには、足なし。
今思えば、「会合の折詰」にも入っていたと言うことで、ごくフツーの食べ物だったんですよね。
投稿: 乙痴庵 | 2019年5月15日 19:51
黒兎男爵 さん:
見た目でヤバいですか。そうですか。なるほど。
投稿: tak | 2019年5月15日 21:23
乙痴庵 さん:
>今思えば、「会合の折詰」にも入っていたと言うことで、ごくフツーの食べ物だったんですよね。
フツー度高いですね。すごい (^o^)
投稿: tak | 2019年5月15日 21:24
ひゃー。
小学生の頃、夏休みに親戚の家に行った時、田んぼでイナゴ取りをしたことを思い出しました。
袋にいっぱい取っておばさんに渡したのを覚えています。
でも残念ながら出来上がった佃煮が足を取ってあったのかどうかは覚えていません。
愛知県の北部、長野県に近い地域ですのでイナゴの佃煮はフツーに食していた土地だったんですよね。
もう50年以上前のことです。懐かしいなぁ。
投稿: さくら | 2019年5月15日 23:27
さくら さん:
チクチク感がなかったら、脚を取ってたんでしょうね。
山形県ではチクチク感がイナゴの醍醐味と思われてます (^o^)
投稿: tak | 2019年5月16日 06:27