「温泉は熱いもんじゃ!」といわれても
朝日新聞の本日付記事に「別府温泉でお湯の温度をめぐる対立が続く。解決策は?」というのがある。"「修行のように熱い」と言う人もいれば、「熱いのが温泉」と言う人もいる" というサブタイトル付きだ。
確かに別府には「熱湯好き」(この場合は特別に「あつゆ好き」と読んでいただきたい)が多いという印象だ。それも並みの熱さではない。記事のサブタイトルの如く、文字通り「修行のように熱い」のである。45度ぐらいでないと満足しない常連もいるらしい。
昨年末に大分県に出張した折に別府に泊まり、知人に勧められた「竹瓦温泉」というところに行ってみた。何だかアヤシい雰囲気の歓楽街を抜けて辿り着くと、ミニ歌舞伎座みたいな雰囲気のレトロな建物である。
ここは別府のシンボルみたいな温泉施設ということで、「普通浴」(いわゆる浴槽に入る)と「砂湯」があり、実は砂湯というのを体験したかったのだが、この日は予約で一杯だったので「普通浴」というのに入った。
何しろ昭和初期に建てられたというので、浴場もチョー・レトロである。で、一応体を流してから浴槽に入ろうとしたら、これがまたチョー熱い。思わず「あちちち!」と口走って水でうめようとすると、浴槽の一番奥の湧き出し口に陣取った温泉の主みたいなジイさんに「うめるな!」と一喝された。
このジイさん、「温泉は熱いもんじゃ。その辺はまだ一番ぬるいところじゃ!」と、赤鬼の如き形相でのたまうのである。しかたなくゆっくりと時間をかけて全身を浸し、心の中では「このじいさん、毎日こんな熱い湯に入ってたら絶対に長生きできないぞ」と呪いつつ耐えに耐えたが、3分ともたなかった。
こんなことがあるので、別府市営の浜脇温泉というところでは半年前に浴槽を「熱湯(あつゆ)」と「ぬる湯」に分割したというのである。この結果、熱湯好きとぬる湯好きの両方が喜ばれているようだ。めでたしめでたしである。
ただ、この措置はある程度の広さのある施設でないとできないことで、すべての市営温泉で浴槽を分割するのは不可能という。ということは、竹瓦温泉のあの赤鬼の如きじいさんは、相変わらず新参者を「うめるな!」と怒鳴り続けることになるのだろう。
それにしても、別府の湯の熱さは今どきとしては特別だと思う。上に掲げた新聞記事の写真でも、地元のジイさんらしいのは右側の浴槽(熱湯なんだろう)に集中して、左側はガラガラだ。
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コメント
あはは・・・
これ、落語の
「死ぬ前に、一度、蕎麦に汁をたっぷりつけて食べたい」
というのを思い出しました。
この強情なお爺さんも
死ぬ前にいちど緩い温度の風呂に
ゆっくり入りたかったと言い残すかもね。
投稿: tokiko | 2019年5月19日 10:11
逆にしびれるほど熱いお湯につかりたいです。
でも家では家族が許さない。(今は、40℃(夏場)~42℃(冬場))
最低で45℃できれば47℃に30秒から1分っていうのが好きでした。
何年も入ってないから体がついていかないかなぁ?
40℃切るとどんなに長湯してもほんとに湯冷めします。
投稿: automo | 2019年5月20日 08:22
tokiko さん:
あはは (^o^)
別府の温泉好きすと江戸のそば好きは、心理的に似てるかも (^o^)
投稿: tak | 2019年5月23日 19:22
automo さん:
湯加減については本当に好みが分かれますね (^o^)
私は 39度ぐらいの湯にじっくり入れば汗だくになって、冬でも一晩中暖まってます。
投稿: tak | 2019年5月23日 19:25