英国のメイ首相が「イタドリ」呼ばわりされているらしい
Yahoo ニュースの ”「日本から持ち込まれたイタドリ」と呼ばれたメイ英首相が 6月 7日辞任 しかし本当のイタドリは別にいる” という記事の見出しに、「一体どういうこっちゃ?」とつられて読んでしまった。
イタドリというのは結構おいしい山菜で、別名「スカンポ」とも呼ばれる。春先になると山の中の日当たりのいいところに生えて、節のある茎が空洞になっているので、根元から折るようにして採ると「ポンッ」と小気味のいい音がする。メイ首相がどうしてイタドリ呼ばわりされるのか、記事を読んで初めてわかった。
イタドリはシーボルトが日本から欧州に持ち込んだらしいのだが、英国の地で帰化植物として大繁殖し、コンクリートや道路の舗装に亀裂を入れながら広まってしまったのだそうだ。家の床を突き破るほどの繁殖力で、英国全体で 1億 6600万ポンド(約230億円)の被害をもたらしているという。
そんなわけで、EU との間で結んだ離脱合意が下院で 3度否決されてもなかなか辞めず、国に大損害をもたらしたとみられるメイ首相は、「イタドリ」と言われてしまっているのだそうだ。ちなみにイタドリは英語で ”Japanese knotweed" というらしい。
この記事の筆者で在英ジャーナリストの木村正人氏は、本当のイタドリは別にいると主張する。それは EU を離脱しても英国経済はこれまで以上に繁栄するという幻想を撒き散らす主権主義者の強硬離脱派たちだというのである。たしかに常識的に考えれば「合意なき離脱」は大きなリスクだが、英国では「とにかく離脱しちまえ!」という声が大きいようなのだ。
大繁殖して忌み嫌われている帰化植物といえば、英国でのイタドリ同様に、米国の「葛(クズ)」が挙げられる。ケンタッキーあたりでは、下の写真のように葛に覆われ尽くした村から、住民が逃げ出すというほどにまでなっているらしい。
日本では「葛の葉伝説」というのまであるほど人々の心の琴線に触れる植物なのだが、所変わればこんなになってしまうのだね。こんなところからも排外主義のポピュリズムが台頭してしまうのかもしれない。
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コメント
「日本から外国へ悪影響を与えている外来生物」、調べたことがあります。面白かったのはワカメですね。
大型船のバラスト水(バランスをとるために入れる海水)に混ざって世界中へ。海藻を食べるのは日本人くらいですから増え放題で、各地の養殖設備にまとわりついて被害を与えているそうです。
しかしメイ首相も、国民投票で決まったとはいえ、自分の政治信条に反することをなんとかして進めなくてはならないとは、同情を禁じえません。
投稿: らむね | 2019年5月25日 00:06
らむね さん:
そういえばワカメもそうでしたね。
日本以外の感覚だと、気持ち悪くて食えないんでしょうかね。
投稿: tak | 2019年5月25日 07:15
あらぁ、メカブをごはんにぶっかけて、お醤油をたらしたのなんて死ぬほど旨いのに、ガイジンってかわいそうね( ̄▽ ̄)で、なんの話でしたっけ( ̄▽ ̄)
投稿: ちきう侵略者のうさぎどん | 2019年5月25日 22:15
ちきう侵略者のうさぎどん さん:
イタドリを採るとき、「ポンッ」って音がするって話ですよ (^o^)
投稿: tak | 2019年5月26日 01:07
仕事場脇に用水路が流れていて、敷地と用水路の間に生えているイタドリは、すでに2mを超える「木」に成長いたしております。
たぶん根元で折っても、「ぽん」とは言ってくれない…。
投稿: 乙痴庵 | 2019年5月28日 21:31
乙痴庵 さん:
イタドリは、いわゆる「山菜」と呼ぶにふさわしい状態のイメージしかありません。
2m にもなると、中空じゃなくなってるかもしれませんね。そうなると、「ポンッ」とは言ってくれないでしょうね。
というより、そんな大きくなったものを簡単に折れなかったりして。
投稿: tak | 2019年5月28日 21:59