"Windows" が 「ういんどーず」と発音されることについて
今月初め、「企業名の表記と発音(キヤノン、キユーピーなど)」という記事を書いた。「キヤノン」と書いて「キャノン」、「キユーピー」と書いて「キューピー」、「シヤチハタ」と書いて「シャチハタ」と読ませるなど、表記(「ヤ、ユ、ヨ」が大きい文字)と発音の異なる企業がかなり多い。
一方、この記事でも触れているが、「富士フイルム」は表記も発音も「フイルム」で、「ある意味潔いことである」と書いたところ、「富士フイルム地元民」のらむねさんから、「フイルム」で既に固有名詞化しているとのコメントをいただいた。日常会話でも「フイルムに勤めています」「フイルムが無くなると市の財政がヤバイ」なんて言うそうだ。
表記も発音も「フイルム」なのは、「昔の人は 『フィ(fi)』の発音ができなかったから」などと言う説もある。確かに昔は、「ファン心理」と「不安心理」の区別のつかない人はいくらでもいた。なるほど、「それならいっそ『フイルム』と書いてしまえ」と決めたのは、さらに潔いことである。
ただ、「キヤノン」や「キユーピー」「シヤチハタ」などは、いくら昔の人でもちゃんと発音できただろう。「お客様」を「お規約さま」に聞こえる言い方をする人はいないし、「急病人」が「杞憂病人」に聞こえたら(「死やれ」じゃなく)洒落にならない。
ただ、「ウィ」や「ウェ」の発音だけは、今でも「うい」「うえ」になることが多いようなのだ。例えばマイクロソフトの OS、"Windows" は、IT 系の仕事の人ほど「ういんどーず」と平板アクセントで発音しているような気がする。このあたりは「富士フイルム」を「フイルム」で固有名詞化してしまった「地元民」とも共通する意識を感じる。
新しめの言葉でも、"Windsurfing" はウェブで調べるとほとんどが「ウインドサーフィン」(「ウィンド」の「イ」が大きい)という表示だ。何しろ「日本ウインドサーフィン協会」というのがあるぐらいのものである。「サーフィン」は「サーフイン」じゃないのだから、ビミョーにダブルスタンダードである。
そういえば、「ウイークデー」「ウイスキー」「ウインタースポーツ」などと言うのは老いも若きも変わらない。「ウェ」となるとさらに顕著で、「weight(重量)」は 体重別競技の場合、平板で「ウエート制」と言わないと通じない。ピーターパンに出てくる "Wendy" も「ウエンディ」で定着している。「ハードウエア/ソフトウエア」や「レディスウエア/カジュアルウエア」なども同様である。
そうかと思うと、ジーンズの "Edwin" は社名表示が「エドウイン」だが、みんな「エドウィン」と読んでいる。ドラッグストア・チェーンの「ウエルシア」もフツーは「ウェルシア」と呼ばれている。
なかなか一筋縄ではいかない奇々怪々さである。













































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