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2019年6月19日

せっかくの秀逸な「人生論」だったのに

本日の TBS ラジオ 「伊集院光とらじおと」がなかなか面白かった。とくに例のピエール瀧の裁判の件に関する伊集院のコメントが秀逸だった。

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ピエール瀧がコカイン使用の罪で起訴され、このほど判決が出たのだが、小野裕信裁判長は判決の後の「説諭」にあたり、「人生」と毛筆で書かれた写真資料を示し、「これからの人生をどうしたいか。人生の言葉の持つ意味は。人生と書いてくれた人の期待にあなたは応えられているか」と問いかけたという。

この説諭は異例の長時間に及んだというのだが、ここで確認しておきたいのは、「説諭」の読みは「せつゆ」であるということ。その意味は大辞林では「悪い点を教え諭(さと)すこと。よく言い聞かせること」とある。まあ、難しいことはいいから、とりあえず「せつゆ」という読みをきちんと頭に入れてもらいたい。「諭」という字は「論」と似ているので、くれぐれも見間違わないように。

で、この件に関して、伊集院光は語り始める。「その昔、尾崎豊が捕まった時、三遊亭圓生師匠が弟子を集めて説教した際に、師匠が『尾崎トヨ』と連発したので、『トヨ婆さん』ばかり気になって、せっかくのいい話が耳に入りにくかった」

とまあ、かいつまんで言えば、こんな前フリだった。

で、話は裁判長の「説諭」に出てきた「人生」(ピエール瀧の所属する「電気グルーブ」の前身のバンド名)に移る。裁判長はこの「人生」というバンド名をモロマジに捉えてお説教してしまったようだが、伊集院によるとこのバンド、お説教のネタになるようなお上品な代物ではなかったらしい。

Google 検索で動画を当たってみると、こんな感じだったようだ。画像をクリックすると YouTube の動画に飛ぶが、とりあえず「閲覧注意」とのお断りだけはしておこう。(ウィルスに感染するとかいう意味じゃないので、その点はご安心を)

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伊集院は、「人生」というバンドの実態を知っていたので、「トヨ婆さん」が気になって仕方がなくて、圓生師匠の説教が耳に入りにくかったのと同様に、「右に寄っちゃったモノ」(上のビデオをご覧いただけばわかる)が気になって、裁判長の説諭(クドいようだけど、読みは「せつゆ」ね)もなかなかマジには受け取りにくかったようなのである。

ただ残念なことに、伊集院は裁判長の「説諭」を「せつろん、せつろん」と連発してしまっていたので、カーラジオを聞く私としてはこれが「トヨ婆さん」や「右に寄っちゃったモノ」以上に気になってしまって、せっかくの秀逸な「人生論」が耳に入りにくかったというわけだ。本日一番の残念なネタである。そもそもこの読み違い、スタジオの誰も気がつかなかったみたいなのだよね。

で、この話にはオチがあって、私がこの話を今日の夕方、妻に語ったとき、「ピエール瀧」をよりによって「ポール牧」と言い違えてしまい、「残念以下」のお粗末になってしまったのだった。既にあの世に行かれたポール牧さん、ゴメン。

ちなみに「人生」の曲の聴けるソノシート(!)は一番上の画像のように、ネット上のオークションで 4,300円の値段が付いているらしい。

それから、こんな tweet もあった。せっかくの指摘だが、「漢字は同じでも違う場合が多い」って意味不明(そもそも漢字、同じじゃないし)。別に法曹界の用語に限らず、一般論としても「説諭」に「せつゆ」以外の読みはない。

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【6月 20日 追記】

まったく余計な話だが、私が「ピエール瀧」を「ポール牧」と言い違えたというのは、まだ「オモムキのある間違い」のようで、世の中には「電気グルーヴ」と「電撃ネットワーク」の区別が付いていない人というのも結構多いらしいと、今日になって知った。

 

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コメント

そういえば中学の時、「諭(さとる)」という先生がいまして。
まあちょっと素っ頓狂な先生で、口さがない同級生数人が「ロン」というあだ名をつけて、囃すように呼んでいたんです。
「やべえ、ロンがキレたww」みたいに。
「ロン」の由来は当初分からなかったのですが、本文にあるように、その同級生たちの、読み間違えっていうことでございまして(笑)
私はそれを指摘したのかしなかったのか・・・
もはや記憶が定かじゃないですが、そんなことを思い出しました。

あ、ちょっと調べたら諭は小学校では習わない漢字のようですね(あだ名は中学入学当初に付けられたので)。論は習うようです。それでか。
でもまあ、なんというか、子どもは知らずのうちに色んな失礼なことをしているものですね。

投稿: らむね | 2019年6月22日 19:49

らむね さん:

「論」は小学校では習わないんですかね。意外です。

あるいは、近頃は小学校教育で習う漢字を削減しているようなので、1960年代以前は習ったのかなあ。

ちなみに学校の先生のことをちょっと小難しく「教諭(きょうゆ)」と表記したりしますが、中学校時代のクラスメイトがそれを見たらしく、「〇〇先生、ああみえてもキョージュらしい」と言い始めたことに、モロにシラけた記憶があります ^^;)

投稿: tak | 2019年6月23日 10:29

あれ、論は習います。習わないのは諭です。1989年の改訂では中学校漢字になってますね。まあ小学生だと1万円札のあの御方を目にすることも少ないしいいんじゃないでしょうか(笑)。
教諭というのは階級ですね。民間でいう正社員かつ平社員の立場です。だから、堅苦しい言葉だけど”先生”の中では偉くないというのもちょっと面白いです。

投稿: らむね | 2019年6月23日 14:22

らむね さん:

失礼しました。最近、年のせいで目がウロウロしてるようです ^^;)

投稿: tak | 2019年6月23日 15:33

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