土下座の作法があるとすれば
昨日から東北方面に出張に出ていて、ホテルで見たテレビのニュース・ショーで、田口淳之介というタレントが保釈された途端に「土下座で謝罪した」という映像がしつこいほど流されていた。こう言っちゃナンだが、違和感と滑稽さともの悲しさの入り交じった妙な映像だった。
悪いけど、私も一応武道をやっていたので、あれを「土下座」と言うのは抵抗ありすぎだ。あんなのは四つん這いのまま前につんのめっているだけなので、いずれにしても異様なまでに無様な光景としか映らない。やるならやるで、事前に「美しい土下座」を勉強しておけばよかったのにね。
まあ、「正しい土下座の定義」なんてものがあるわけじゃないので、しゃっちょこばったことを言ってもしょうがないが、強いて言えば「通常の座礼」をさらに徹底して、地べたにひれ伏すようにしたのが土下座と思えば、あながち的外れじゃないだろう。
じゃあ、「通常の座礼」ってどんなのかというと、あんなにお尻を高く上げないし、肘を直角に張ったりもしない。正座した状態から両手を膝の前に三角形に揃え、背筋を伸ばしてお辞儀する。すると当然、肘のあたりまでは地に接するようになり、背も丸まらないから頭が地べたに突っ伏すこともない。
上の写真は天心流兵法のページ(参照)から拝借したものだが、とても立派な座礼である。そして「土下座」となるともっと極端にひれ伏すのだろうから、さらにぺったんこになるものと思えばいいだろう。ただし、いくらひれ伏すと言っても頭だけを下げすぎると背中が丸まってしまうからよくない。ひたすら上半身をまっすぐにしてひれ伏すのが「美学」というものである。
結構筋力も必要だし、ます第一に腹に脂肪が付きすぎていてはできない。美しい土下座をするにも、節制と訓練が必要なのである。
大麻で逮捕されて釈放時にあんな妙ちくりんなパフォーマンスをするってのは、基本的になにやら勘違いしてるんじゃないかと思うほかない。そもそも勘違いしてるからこんなことになるわけなのだが。
それから、「大麻解禁」に向かう国際的潮流の中で日本の警察はことさらナーバスになって頑張っちゃうつもりかも知れないから、隠れて(いるつもりで)ヤッてる芸能人は気をつけた方がいい。「こいつ、何かヤッてるな」というのは、大概わかっちゃうからね。
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コメント
なんかこれ、時代劇とかで農民兼業(?)の雑兵が失敗したときにやる土下座みたい。そこまで意識してやったのかな?( ̄▽ ̄)
投稿: 萩原下衆権兵衛 | 2019年6月 9日 22:21
萩原下衆権兵衛 さん:
もしかしたら無意識に意識してたとか (^o^)
投稿: tak | 2019年6月10日 04:31