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2019年6月27日

令和初の台風が既に「台風 3号」だなんて

夕方前に外出先から帰宅してニュースを聞くと、日本の南岸を進んできた熱帯低気圧が台風に変わったと言っていた。「令和初の台風」なんていうから「台風 1号」なのかと思ったら、既に「台風 3号」なのだという。じゃあ、1,2号は 5月になる前に発生していたのか。

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驚いて早速 Wikipedia にあたってみたら、台風 1号(パプーク)はなんと、今年の 1月 1日に発生している。前年の 12月 30日に発生した熱帯低気圧が、年をまたいで台風 1号になっていたのだ。

1月 1日に台風が発生したのは、1951年の統計開始以来初めてのことなんだそうだ。そうだろうね。1952年生まれの私も、そんなのは初めて聞いた。「温暖化もここまできたか」と思うばかりである。Wikipedia によると、この台風のその後はこんな具合だ。

やや発達しながら西に進み、タイランド湾を通過したのち、4日 21時頃にタイ南部のクラ地峡に上陸した。その後、5日 0時前に東経 100度線を通過して気象庁の観測範囲外となったため、台風からサイクロンとなった。台風が東経 100度線を通過してサイクロンになるのは 1997年の台風 26号以来約 21年ぶりである。

統計 100度線より西に行っちゃうと気象庁の管轄外になって、呼称も「台風 (typhoon)」ではなく「サイクロン(cyclone)」になるというのも、今日初めて知った。というわけで、今年の台風 1号は、日本への影響がなかったので大きなニュースにはならなかったが、実は異例ずくめの台風だったようである。

そして 2月 19日にマーシャル諸島近海で発生した熱帯低気圧が発達して、20日に台風 2号となった。23日には「非常に強い」勢力となり、マリアナ諸島近海で中心気圧 925hPa・最大風速 50m/sと、2月としては中心気圧が最も低い台風となった。

その後 24日には台風は一旦勢力を落としたものの、25日に再発達し、中心気圧 915hPa・最大風速 55m/sの「猛烈な」勢力となった。とにかく、観測開始以来、2月の台風としては最も強い台風だったらしい。

こうして見ると、平成最後の 2つの台風は、かなり異例な動きを示していたようなのである。「令和初の台風」となった 3号も、その延長にあるのだろうから油断できない。夜になって、つくばの地でも風の音がかなり大きくなった。

とにかく最近の天気は極端から極端に振れがちだから、警戒が必要である。ちなみに今回の台風 3号のアジア名は、セーパット(Sapet)と名付けられたそうだ。

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コメント

ざっくり太平洋は台風(タイフーン)、インド洋はサイクロン、大西洋はハリケーンと覚えていました。経度で区切ってるんですね。
アメリカは伝統的にハリケーンに女性名を付けていましたが(ハリケーン「カトリーヌ」のように)、人権団体からの抗議で男女交互に付けるようになったって知ってました?(笑)

投稿: らむね | 2019年6月28日 00:38

らむね さん:

こうした分野ではやはり厳密に経度で区切らないと、細かいところで齟齬が生じてしまうんでしょうね。素人としては、それはそれで面倒ですが (^o^)

アメリカでハリケーンに男性の名前も付くようになったのは 1979年以降のようですが、最近では白人系の名前に偏らず、アフリカ系アメリカ人の名前も採用されるようになったようです。

https://wired.jp/2009/10/08/%e3%80%8c%e3%83%8f%e3%83%aa%e3%82%b1%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%81%ae%e5%90%8d%e5%89%8d%e3%80%8d%e3%81%af%e3%81%a9%e3%81%86%e6%b1%ba%e3%81%be%e3%82%8b%e3%81%8b/

アメリカって、こういうことにはかなり面倒くさい国になってますね ^^;)

投稿: tak | 2019年6月28日 10:47

コメント追記です。

赤道より南だと、東経 100度より東側の太平洋でも、サイクロンと呼ぶようですね。

https://hp.otenki.com/2270/

投稿: tak | 2019年6月28日 10:59

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