ラウンドテーブル・トークの苦行
還暦を過ぎて、もうそろそろ 7年にもなるというのに、相変わらず早食いである。人と一緒に食事をしても誰よりも早く食い終わってしまうので、手持ち無沙汰でしょうがない。だから食事会なんて時には、時間をもたせるためにできるだけ会話をしながら食べることになるが、それでもやっぱり早食いになってしまう。
昨年の 4月に 「ゆっくりメシを食うことができないカラダなので」という記事の最後に、次のように書いた。
ただ、いくらなんでも人と一緒にメシを食っても、あっという間に食い終わってしまうので、間が持たないことがある。こればかりは何とかしたいのだが、ゆっくり食うことができない体なのでコントロールできない。
仕方なく食わずに話をすることになるので、tak はメシを食うときによくしゃべるなんて思われているようだが、そうでもしないと場が持たないのだからしかたがない。
というわけで前置きが妙に長くなったが、今回は 「食事の際の会話」というテーマで書こうと思う。
早飯しかできないカラダの私にとって、一番気の重いのが西洋式の正式なフルコースの食事である。前菜から始まって順を追っていろいろなメニューが運ばれて来るのだが、自分のペースで食うとあっという間に一皿平らげるので、よほど注意して周りのペースに合わせないといけない。仕方がないから、まあ、いかにもオシャレに「会話を楽しみながらの食事」をしているフリをしてきた。
ところがどういうわけか、日本人との「お食事会」って、こうした席での会話が弾まないのだよね。「これはおいしい」だの「これ好き」だの「嫌い」だの、「どこそこの何とかは、これよりずっとうまい」だの、目の前の食い物に関する即物的な話題に終始してしまいがちで、文化的というか、ソフィスティケイティッドな話題に進まないのだ。
乏しい経験だが、欧米人(と言っても英語以外の外国語ができないので、米国人と英国人がほとんどだが)との食事だと、英語でしゃべるのにはちょっとしたストレスがないわけじゃないが、結構いろいろな方面に話題が飛んで、「飽きない会話」が楽しめる。こういうの、"round table talk" というらしい。
それに欧米人はガツガツ食うので、こちらが意識して合わせなくてもペース的に楽だ。ところが日本人相手だと、食うスピードは遅いし、日本語だからしゃべることそのものには苦労がないが、肝心の会話の内容が食い物そのもの以外に弾んでいかないしで、ちょっとしたストレスになる。
というわけで私はますます「tak はメシを食う時に、関係のない話題でよくしゃべる」と思われてしまう結果になるようなのだ。このことに、還暦を過ぎて数年経ってから初めて気がついた。個人的には、刺身を食いながら刺身の話に終始して何が楽しいのだと思うのだが。
というわけで、最近の私はちゃんとした食事会の席では、周囲の「これはうまい」だの「どこそこの何とかは絶品」だのというどうでもいい話に、うんうんと頷きながら、ただひたすらゆっくりと食べることに集中しているのである。これは食事のスピードと話の内容の両面で退屈極まりなく、かなりの苦行なのだよね。
| 固定リンク
「世間話」カテゴリの記事
- 「余計なお世話」とか「余計な表示」とか(2023.09.27)
- タバコは目の前で吸われるのでなくても迷惑(2023.09.17)
- すき家 駐車場の貼り紙騒動(2023.09.09)
- 崎陽軒の CM ソング、ずっと誤解してた(2023.09.03)
- 道路の「ゼブラゾーン」を巡る冒険(2023.09.01)
コメント
ぢや、小中学校でしゅき(好き)だったオニャノコの話題なんかどうかな?( ̄▽ ̄)きっと座がめっちゃもりあがるとおもうよ!!( ̄ー ̄)
投稿: 野兎星人 | 2019年6月18日 09:23
野兎星人 さん:
私の知り合いには、そっち方面では「イタい思い出」しかない連中が多いような感じで、かえって暗くなったりして ^^;)
投稿: tak | 2019年6月18日 17:56
そんなら、中高年ならば病気ネタでつかね!いま飲んでるクスリの多さを競ったり、持病の情報交換など、もりあがるとおもいまつ!なんのクスリも飲んでないシトは、逆に形見が狭かったりして( ̄ー ̄)
投稿: 野兎星人 | 2019年6月18日 22:01
野兎星人 さん:
私としては、メシ食いながら病気の話なんてしたくないですが、確かに「あっちが痛い、こっちがやられてる」って話が好きな人、多いですね。病院通、薬通のオッサン、多いわ ^^;)
投稿: tak | 2019年6月19日 03:07