”Tandle" =「スリムでイケてる」というチョー個人的英単語
長年間違いに気付かず「これで OK」と思ってきた「ちょっとしたこと」というのが、誰にでもあると思う。「ちょっとしたこと」だけに、間違っていると意識されるようなことさらな機会もなく、ただずっとそんなものと思い込んできただけに、ひょんなことからそれが間違いと知った時のショックは、個人的には結構大きい。
今日という今日、私が気付いた「ちょっとしたこと」の間違いというのは他でもない、ボサノバの名曲『イパネマの娘(The Girl form Ipanema)』の歌詞である。それもしょっぱなの冒頭部分だ。
Tall and tan and young and lovely
The girl from Ipanema goes walkin'
この 1行目(「背が高くて小麦色に日焼けして、若くて可愛くて」)の部分、遠い昔の 10代の頃の私の耳には "Tall and tandle, young and lovely" というように聞こえていて、それからほとんど半世紀というもの、ずっとそういう歌詞だと思い込んでいたのである。
”Tandle” なんて単語はほかで聞いたことがないが、私としては「スリムでイケてる」みたいな意味のスラングなのだろうと思い込んでしまっていて、ずっと辞書を引いてみようとも思わなかった。だって、こんなにも "and" でずらずらと続ける歌詞があろうとは思わなったのだもの。
ところが改めて "tandle" でググってみても、そんな単語は英国マンチェスターの "Tandle Hill Country Park" という景勝地以外には全然ヒットしないじゃないか。画像検索してみると、ボサノバとはマッチしないイングランド北部の清涼感のみが売り物っぽい土地である (参照)。
慌てて歌詞をググってみて初めて、私の耳に "tandle" と聞こえてしまっていたのは "tan and" の部分だったと気付いた。そしてさらに、間違いと知った後も私の耳にはややもすると、"Tall and tandle, young and lovely" と聞こえてしまうのだよね。長年の思い込みとは恐ろしいものである。
これ、上の画像をクリックして改めて聞いてもらえばわかると思うが、ビミョーに "tandle" と空耳できないこともない。まったくの見当外れというわけでもないと思っていただければ幸いである。アスラッド・ジルベルトの「つぶやくような」歌声だから、そう聞こえちゃったのかなあ。
というわけで、ふと気付けば私の脳内には ”tandle" =「スリムでイケてる」というチョー個人的英単語がしっかりと刻み込まれてしまっているのである。要するに意図しないまま、たまたまできてしまった造語でしかないのだが、結果としてはなかなかどうしてイケてる語感という気はしてしまう。
せっかくだから何とかして世界に広めたいと思うのだが、まあ、無理だろうね。
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コメント
私の場合、ビイトルズのかの名曲に対し、づつと「変な歌詞に聴こえるなあ」と違和感を抱いていた。しかし、相手は押しも押されぬ大御所である。そんな大御所の歌詞を「変だ」等と言つては「変なのはおまへの方だ。一度、医者に診てもらつた方が良ひ」と言われ兼ねなひ。
月日がたち、曾ての私より少しは語彙も増えたので、改めてかの名曲を聴いてみた。そうすると、矢張り変な歌詞に聴こえると言ふ感覚に違いはなかつた。あまり心にしまつておいては、精神衛生上良くなひので、ここで皆さんに言つてしまうことにする。
ビイトルズの邦題「抱きしめたい」のサビの部分の歌詞は、だう聴いても「青菜放尿屁」とま聴こへますよね?(やれやれ、そんな事を長年心にしまつて置いたのかよ)
投稿: 黒兎男爵 | 2019年6月18日 18:09
黒兎男爵 さん:
違います。あれは 「会わな 放生遍」と言っているのです (キッパリ)!
投稿: tak | 2019年6月18日 18:48
きつと、私の品性が卑しひので、「食い物とシモネタ」で聴こへてしまうのでせうね。嗚呼、やつぱり言わなきやよかつた(赤面)。
投稿: 黒兎男爵 | 2019年6月18日 18:57
黒兎男爵 さん:
いやいや、ややもすればそうとも聞こえるので安心してください (^o^)
投稿: tak | 2019年6月18日 20:19
朝ニュースを見てびっくり。
新潟・山形で強い地震があったようで。
takさんのご親族やお知り合いは大丈夫だったでしょうか。
無事をお祈りします。
投稿: らむね | 2019年6月19日 06:22
らむね さん:
ご心配戴き、恐縮です。
どうやら無事だったようです。
それにしても、夜の 10時過ぎという真っ暗な時間帯に大地震に遭うのは御免蒙りたいですね。
投稿: tak | 2019年6月19日 21:04
当たり前のことですが、災害の半分は夜に起きる、ですね(豪雨土砂災害などはなぜか感覚的に夜多いですが)。
避難訓練も、毎年のように朝8時にやらずに、たまには夜やった方がいいのかもしれません。必要な照明の準備確保、暗くて危険な道など、学べることは多いと思います。
投稿: らむね | 2019年6月20日 00:54
らむね さん:
理窟としては「災害の半分は夜に起きる」は正しいですね。夜の災害なんて、まるで「陰謀」みたいですが ^^;)
とくに豪雨災害などは、「多分大丈夫だろう」と思って眠りについて、夜中に避難指示が出て叩き起こされたなんてことが多いようなので、感覚的にも「夜に多い」と思いがちです。
ただ本来なら、日のあるうちにちゃんと避難して、夜が明けて一段落してから戻ればいいのです。
家に戻って「この程度だったら、逃げなくてもよかったじゃないか」と文句を言うよりも、「大事を取って逃げておいて、正解だったよね」と思うべきなのが天災に対する正しい考え方と、多くの専門家も指摘しています。
実際問題として、日が暮れても豪雨が続き、真っ暗になってから、床上浸水が始まってあわてふためき、そうなると避難用ボートの数も限られているのでなかなか逃げられないなんてこともありがちなのですから。
そうしたことも含めて、豪雨被害は夜に多いというのは、まさに実感です。
ただ、地震は避難のタイミングを選びにくいので、やっぱり日が暮れてからというのはイヤですね ^^;)
投稿: tak | 2019年6月20日 14:52