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2019年7月21日

福岡、佐賀の豪雨被害に思う

福岡、佐賀の両県で、昨夜から今朝にかけて大変な大雨になり、唐津市の県道では倒れた松の木に当たった乗用車内で小学生が胸を強く打って死亡するという事故まで発生したという(参照)。今年は大雨の割に被害が少ないと思っていたが、ついに死亡事故が出た。

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3日前にも北九州で屋根からの転落による死亡事故が報告されたが、これは大雨に備えて雨樋の掃除をしていたためのようで、直接の大雨による死亡事故はこれが今年始めてだと思う。昨年の 7月は西日本から東海にかけての豪雨で死者が 200名を超えるという惨事になったためか、今年は多少は対策が進んだということもあるだろう。

振り返ればここ数年、毎年今の季節になると梅雨前線や台風などによる大雨被害が起きている。"「数十年に一度の気象災害」 が毎年ある時代" という記事を、昨年の今頃書いたばかりだ。そして平成 27年 9月というからもう 4年近く前のことになるのだが、我が家のすぐ近く、茨城県常総市でも大雨による鬼怒川氾濫で 15人が亡くなった。

このことに関してはこの年の 9月 10日に「思っていた以上の水害に驚いている」という記事で触れた。これは「堤防決壊とソーラーパネルに関する誤解を整理する」(9月 11日付)と 「今回の大水害の教訓」(9月 12日付)という続編と合わせて 3日連続のシリーズ記事になった。さらにその 10日後には 「常総市の災害ボランティアに行ってきた」(9月 22日付)というルポ記事まで書いている。

この時の水害に関しては、被災した住民が国の河川管理の不備が原因だったとして訴えを起こしているが、私の印象ではこの 3日連続記事で書いたように、国ばかりでなく地元・常総市のおざなりな対応も被害を広げる一因となったと、今でも確信している。

そして私は豪雨被害が出る度に書いている気がするが、「早めの避難」は本当に重要である。昨年の 7月 9日に私は「災害時の避難勧告や指示には、早めに従う方がいい」という記事を書いたが、その翌日には「そもそも、水害が差し迫っても『人は逃げないもの』らしい」という、やや絶望的なことも書いている。それでも、やはり早めに逃げるに越したことはないのだ。

「災害列島」と化した今の日本では "normalcy bias" (正常化の偏見)というのは、身を守るためには邪魔になるばかりである。

 

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