香港の自由を求める闘いにエールを送る
私は過去に香港と中国の政治的関係については 2度書いている。先月 15日の「香港の自由を守る運動と、ベルサーチの Tシャツ」と、5年近く前の「香港の自由を守る運動に心の底から共感」という記事だ。
はっきり言って、私は香港が好きである。前世紀(80年代〜90年代)は何度も仕事で行って、気持ちのいい交流をもった。その香港が今、中国政府によって蹂躙されようとしている。これは見過ごすことができない。
Newsweek は、"「生きるか死ぬか」香港デモ参加者、背水の陣" と伝えている。香港市民の気持ちはよくわかる。「自由がなければ生きている意味がない」とまで思い詰めているのだろう。
「死んだら終わりだ。中国本土でも何億という人たちが生きているのだから、それほどの危険を冒してまで戦う意味があるのか?」と言う人もいるだろう。しかし、一度自由というものを知ってしまったら、それを失うのは命を失うのと変わりないと思うのも自然だ。自由とはそれほどまでに重要なものだ。
自由を抑圧した体制は、いつか滅びる。人間は自由を求める生き物だからである。中国の現体制は、「欲」と「自由」を天秤にかけて、「欲の優先」を選択しているとしか思われない。私のような「貧乏しても自由を求める」タイプには、到底耐えきれない価値観だ。
さらに言えば、実際には自由を保障する方が世の中は栄えるのである。ただ、一部の層への権力集中がなくなってしまうだけだ。これは長い歴史が証明している。私は「一部の層」という存在には嫌悪感しか持たないから、香港の自由を求める闘いには心からエールを送る。
こうしたことを論じた私の記事には、どういうわけかあまり賛同のコメントが付かない傾向がある。香港の事情は日本からは遠いものと感じられるのかもしれないが、私はこの姿勢は変えるつもりがないので、よろしく。
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コメント
激しく同意! 習政権になって、特に感じられるのは、「世界覇権の野望」。何と言っても、武器は、巨大な人口というポテンシャル。結局、アメリカと比べて約3倍以上の人口が決め手になるのだろうね。つまり、捨て駒の多寡の差。たとえトランプさんが関税引き上げ攻勢に躍起になったとしても、多分、中国は耐えることができるのでは。中国の「支配者層」は、痛くも痒くもないものね。このまま行ったら「一国二制度」も風前の灯になってしまうのでしょうね。
投稿: Saburo Kibino | 2019年9月 2日 17:49
今の香港人は、天安門事件なんて知らないのだと思われる。
中国は絶対引かないから多分、血を見ることになると想像する。しかし、中国はそれはやりたくないから、威嚇映像を頻繁に流す。どう決着をつけるのか。
しかし、香港人のパワーは凄い。日本にはもうない。
投稿: ハマッコー | 2019年9月 3日 03:14
Saburo Kibino さん:
まさに「捨て駒の多寡の差」で、このままの勢いでは一国二制度の維持は難しくなるので、習政権が「ここは譲る方が後々得かも」と納得できるような落としどころを用意できるかどうかでしょうね。
今のままでは、「譲らずに突っ走れば何とかなる」と思っているようなので、ちょっと立ち止まって遠きオモンパカリで考え直す機会を作ることができればいいのえすが。
投稿: tak | 2019年9月 3日 21:04
ハマッコー さん:
>しかし、香港人のパワーは凄い。日本にはもうない。
このことはしみじみ感じますね。
投稿: tak | 2019年9月 3日 21:05