クジラ 1頭に 2億円分の経済効果があるらしい
National Geographic に「クジラ 1頭に 2億円分の経済効果」という見出しの記事がある。一体どういうことかと思ったら、ヒゲクジラやマッコウクジラなどの大型クジラはあの巨大な体内に大量の炭素を固定しており、死んでからまで炭素もろとも沈み、数百年以上にわたって炭素を海底に隔離するのだそうだ。
ということは、2億円かけて二酸化炭素を発生させないための環境設備を作るより、クジラを捕らない政策を進めることの方が地球温暖化を抑制することができるということだ。日本政府の捕鯨解禁は愚策というほかない。
クジラの糞にも温暖化防止効果があるという。海底深くで採餌するクジラは、水面近く海面近くで排せつして、窒素、リン、鉄など大量の栄養物を放出する。これがプランクトンの発生・増殖に寄与し、光合成による CO2 吸収を促進する。この記事は次のように強調する。
現在、地球の海には約 130万頭のクジラが生息している。これを、商業捕鯨が始まる前の推定 400万~500万頭まで回復させられれば、クジラだけで年間約 17億トンの CO2 を回収できる計算になる。ブラジルの 1年間の CO2 排出量を上回る量だ。
大型動物が人類にもたらす生態系サービスは、「すべての生き物に恩恵がある」ということのようだ。我々はこの点を大いに認識すべきだろう。
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