「Suica 最強説」は、三重県では幻想だった
今年 9月 22日に「電子マネーは "Suica" があれば十分だろうよ」という記事を書いていて、日本国内では Suica が最強の電子マネーだと思っていたが、今回の三重出張で、それは幻想だと思い知らされた。三重県庁のある津市は、堂々と 「Suica 適用範囲外」の世界だったのである。
名古屋から伊勢方面行きの 2両編成「快速みえ」に乗り換え、おもむろに出発すると、エンジン音がやたらと大きい。「なんじゃ、こりゃ?」と思うと、関西本線の川原田駅から先は非電化区間となるので、気動車(ディーゼル車)だったのである。
そして車内アナウンスは「川原田駅より先は Suica などの IC カードが使えませんので...」などと、衝撃的なことを言っている。私のその日の目的地である津市は河原田駅より先なので、Suica が使えないというのだ。
「JR 東海の営業エリアだから、"TOICA" なら使えるだろう」というかもしれないが、実際にはそれももダメだ。さらに「関西本線なのだから JR 西日本の ”ICOCA” なら...」という淡い希望も素っ気なく撥ねつけられる。
津駅で下車すると、そもそも改札口に Suica などを読み取るための設備がない。ただ、津駅に乗り入れている近鉄線乗車の場合に限り "PiTaPa" とかいう聞き慣れないカードなら辛うじて使えるらしい。
令和どころか平成的な印象すら薄く、どことなく時代離れした感覚である。「ここは昭和かいな?」と思いながら駅の外に出ると、目の前にまさに「昭和食堂」という食堂があった。上の写真である。「快速みえ」という気動車は、タイムマシンだったのだ。
とはいえこの地に一泊二日滞在した印象は、「なかなかいい街じゃないか」というものだった。効率のみを追い求める現代から失われた「呑気さ」が感じられ、なんとなく生き返ったような気がしたものである。
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コメント
要は鉄道事業者専用の光ケーブルが沿線に伸びていない駅にはICカード読み取り機が設置できないのですよ。これには相当なコストがかかります。後回しにされたんでしょう。もしかしたら永久にないかもしれませんね。
投稿: ハマッコー | 2019年10月28日 03:05
ハマッコー さん:
最近は路線バスでも IC カード対応が当たり前になってきていますが、1台ごとのバスの場合は鉄道ほど大量データにならないので、あとでまとめて集計すればいいんでしょうね。
津駅みたいな規模の駅だとそういうわけにも行かず、中途半端なところなのかもしれませんね。
それにしても、県庁所在地なんだからさっさとやっちゃってもいいと思うんですが ^^;)
投稿: tak | 2019年10月28日 11:22