ウシガエルと恐竜、そして人類
先月 14日に、「ウシガエルの声が、先日の今週の月曜日の台風 15号襲来以後、ぱったりと聞こえなくなってしまった」と書いた(参照)。それまで裏の川土手で毎日「モウ、モウ」と鳴いていたウシガエルが、台風による増水で流されてしまったらしく、一匹もいなくなってしまったのである。
それまで昼となく夜となく聞こえていた威勢のいい大音響が聞こえなくなると、なんとなく淋しい気がする。もしかしたら、どこかに産み付けられた卵が来年春に孵化し、夏過ぎにはカエルになって鳴き始めるかもしれないが、成体が流されたのだから、卵だって流されてしまっただろうと悲観的になってしまう。
ここに引っ越してきて以来 40年近くも親しんだあの鳴き声の主たちが、たった一度の猛烈な台風でいなくなってしまったのだから、地球温暖化に伴う気候の変化というのは本当にばかにできないものだと思う。ちょっと大袈裟すぎる連想かもしれないが、私は恐竜の絶滅という事実にまで思いを馳せてしまったよ。
恐竜は約 6,600万年前の白亜紀と新生代との境に多くが絶滅したと言われている。「多くが」と言うのは、小型のものは現在の鳥類として生き残っているとも言われるからだが、いずれにしても「いわゆる恐竜」という生物はほとんど絶滅してしまったわけだ。
その絶滅の要因は、巨大隕石衝突によって地球の気候が大きく変わってしまったことだとも言われる。いずれにしても、気候の変動は生態系に大きな影響を与えるのだ。
恐竜の絶滅が巨大隕石衝突による気候変動だったとすれば、最近の気候変動は CO2 の増加による温暖化である。この温暖化が気候を極端なものとし、大型で強い台風の頻発にもつながっているとみられる。
今回の台風 19号では、47人の死者が出たという。60年前の伊勢湾台風では 4,000人以上が犠牲になったが、当時は天気予報の精度が低く、情報伝達も今ほど発達していなかったし、さらに堤防整備などの社会インフラも整っていなかったので、これほどの被害規模になったのだろう。
それを思えば、これほどまでに情報が発達し社会インフラの整備も進んだ現代において、47人もの死者が出たというのはある意味大変なことだ。今後、このくらいの規模の台風が当たり前に襲来するとなると、常にかなりの被害を覚悟しなければならない。
恐竜が巨大隕石衝突による気候変動で絶滅したとすると、人類は CO2 増加による気候変動で絶滅するかもしれない。絶滅を免れるとしても、住みにくくてしょうがない環境になってしまうのは確実だろう。
そんなことまで思いが飛んでしまうと、我が家の裏の川のウシガエルに戻ってきてもらい、気休めでもいいから少し安心させてもらいたいものなのである。
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