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2019/10/07

オンワードの赤字決算に思うこと

アパレル大手、オンワードホールディングスの 3〜8月期の中間決算が 244億円の赤字になったと発表された。2020年 2月期の通期決算は、240億円の赤字になるという見通しらしい。

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最近になってからこのブログを読み始めた人はご存じないだろうが、私は 16年前の 2003年春までは、アパレル業界でメシを食っていた。もっともアパレル・メーカーに勤務していたというわけではなく、その関連分野で仕事をしていたので、アパレル業界の全体的動向に関しては今でも結構注目している。

16年前といえば、オンワードは我が世の春みたいな勢いだった。それまでアパレル業界の 4大メーカーはオンワード、レナウン、三陽商会、ワールドと言われていたが、この中で最も鼻息の荒いのがオンワードだった。

レナウンは、一時は 2,000億円以上の売上高を誇っていたが、百貨店に頼りすぎてまともなマーケティングをしなかったために、今は 3分の 1以下の 600億円台まで落ちぶれている。三陽商会はライセンス・ブランドの「バーバリー」に頼りっぱなしだったので、その契約が切れてからはガタガタになり、今は最盛期の半分以下の 500億円台である。

この両社は百貨店の没落と歩調を合わせて低迷してきたが、専門店が主力販路のワールドは百貨店とは別の世界でマーケティングしているので、小回りがきく。さらに直営店も比較的上手に運営しているので、2,500億円台の売上高を維持している。

オンワードは百貨店を主力販路としつつも、体育会系的な攻めのマーケティングで成長してきた。しかしそれは、レナウン、三陽商会とともに、3社でシェアしていたも同然の市場で他の 2社が勝手にコケたのだから、うまく行って当然とみるべきだろう。

ところが最近は百貨店市場そのものがガタガタなので、「もはやこれまで」というところまできてしまった。今回の赤字決算は、不採算店舗の閉鎖、縮小を一挙に行ったためとされている。無理矢理あてがっていた「つっかえ棒」がどんどん外れ始めたといえよう。

というわけで、一昨年の 3月に書いているように、"百貨店という業態は、既に「オワコン」” と思う方がよさそうだ。今やアパレル市場は、ユニクロのマーケットになってしまったのである。

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コメント

レナウンなんて会社まだあったのって感じですね。
1970年代は破竹の勢いで、テレヴィコマーシャルが記憶に残りますね。「ワンサカ娘」などは毎日のように聞かされていたような気がします。ダーバンのアランドロンを起用した「D'urban c'est l'elegance de l'homme moderne.(ダーバン、現代を支える男のエレガンス)」なんてセリフも大学生がカッコつけて言ってましたね。当時のCMを見るととても懐かしい。

そんなレナウンも今は中国企業の傘下に。日本の百貨店が衰退産業だと気が付かなかったと思える。レナウンは赤字になってないだけまだいけそうだ。


投稿: ハマッコー | 2019/10/09 02:44

ハマッコー さん:

レナウンはダーバンと合併してもこの有様ですから、いかにマーケティングがお下手だったかわかります。

CM のヒットは広告会社の力(あるいは小林亜星とアラン・ドロンの力?)にすぎないのに、自社の力と勘違いしたんですね。

所詮はメリヤス会社だったということです。

投稿: tak | 2019/10/09 05:00

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