インド料理はハードルが高い
NewSphere に "「インド料理はまずい」ツィート 批判殺到、人種差別論議にも" という記事がある。「インド料理はまずい」というアメリカ人男性の tweet が炎上してしまったのだそうだ。
この tweet には「インド料理を愛する人々からの非難が殺到」した上に、「インド人への人種差別ではないか」とまで言われているという。Tweet 元の男性は「重箱の隅をつつくようなネット界の粗探しと不毛な議論」にうんざりしているのだそうだ。
確かに「食に関する好みの問題」に過ぎない発言に対する反応としては、「人種差別」云々は極端すぎる気もするよね。ただ、tweet の経緯を知ると、過剰反応の下地みたいなものは元々あったということがわかる。
そもそもの発端は、「最も物議を醸す食べ物についての意見を述べて」というお題に応じて、海軍大学で教鞭をとるトム・ニコルズ氏 が「インド料理はひどくまずいが、我々はそうじゃないふりをしている」と発言したことなのだそうだ。
ということは「物議を醸す」ことはむしろ初めから狙っていたわけだ。ただ、安全保障の専門家で USA トゥデイ紙の寄稿者委員会のメンバーでもあるというニコルズ氏にしても、「人種差別」問題まで持ち出されるとは、 さすがに想定していなかっただろう。
というわけで、「ネット界の粗探しと不毛な議論」は、プロフェッショナルの予測を遙かに上回るものになってしまったのだね。ネットというのはかくまでに過剰反応が常だから、甘く見ちゃいけないってことだ。
事のついでに言うと、私はインド料理が大好きである。20年以上前に、インドの対日輸出促進の政府系団体でトップを務める人に招待されて、数人の日本人とともに本格的インド料理をご馳走してもらったことがある。さすがにマハラジャだけに、彼の公邸には数人の使用人がいて、立派なインド料理でもてなしてくれた。
ところが、その料理は「日本人ゲストのためにマイルドな辛さにしてある」ということだったにも関わらず、私以外の日本人は火の出るような辛さに悲鳴を上げて、まともに食えなかった。辛もの好きの私だけが「おいしい、おいしい」と喜んで食べていたのを思い出す。
その日はほかの日本人が英語を話さないので、通訳したり料理を食ったりでなかなか大変だったよ。おかげで「tak-shonai の前世はインド人だった」ということにされてしまったほどだ。
やっぱりインド料理のハードルがかなり高いということは、否定の余地がない。ちなみに、インドでも南部に行くほど辛さの度合いが増す傾向があるらしい。私の辛さ許容の南限はどの辺りになるのだろう。
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