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2019年11月20日

私の早食いは、昔のまずい給食のせいかも

私は早食いである。それについては昨年 4月 3日にも「ゆっくりメシを食うことができない体なので」という記事で「昔から早飯だったが、還暦を過ぎて 5年以上経った今でも、周りの人よりずっと早く食い終わってしまう」と書いてしまうほどである。

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さらに 2004年 8月 6日の「早飯は美学か」という記事でも、こんな風に書いている。

食事に時間をかけるということが、とてつもなく馬鹿馬鹿しいことのように思われる。戦時中でもあるまいに、「早飯、早糞、早支度」 ということを、美学と感じてしまうのである。

我ながらまったくもって困ったものである。

そして最近、「自分の早食いは、昔のまずい学校給食のせいなのかも知れない」なんてことに思い至った。その昔、小学校の学校給食は「脱脂粉乳」と、テキトーに焼かれたパン、テキトーに作られたおかずというメニューで、たまにはおいしいこともあったが、普段は決して褒められた味じゃなかった。

とくに脱脂粉乳を溶いて作ったミルクは「ララ物資」の名残みたいなもので、「戦後アメリカの善意のシルシ」なんてなことを言われるが、私が小学校に入学したのは 1958年のことで終戦から 13年も経ち、家庭ではごくフツーにちゃんとした牛乳が飲めていた時代だった。

ところが小学校に入って突然、それまで見たことも聞いたこともなかった脱脂粉乳というものが、給食に出てきたのである

この脱脂粉乳というもの、粉ミルクをごくフツーに湯に溶けば、それほどマズいというわけじゃない。ところが給食係のオバサンが仕事を急いてしまい、大鍋の湯に粉をどさっとぶち込むと、溶けきれずに熱々の鍋底に沈んだ粉が焦げ付いてしまい、あのタンパク質の焦げた独特の(はっきり言えば「ウンコ臭い」)臭気を発してしまうのである。

この臭いミルクを、小学校の教師は「飲め!」と強制する。「好き嫌いを言ってはならない」と言うのだ。しかしあの臭さは「好き嫌い」以前のもので、とくに臭気のキツい日のミルクは、感受性豊かな女の子なんて泣きながらでも一口も飲めなかった。

ところが私みたいな食い意地の張った男子は、いくらマズくても食って飲まないと腹が満たされず、夕方前に空腹で堪らなくなる。さらに言えば、給食なんてさっさと食い終わって昼休みの遊びに興じたい。

そこで私は、小学校に入学してすぐに「感覚遮断の術」を身に付けた。給食はとにかく速く食う。ゆっくり食ったりなんかしたらつい味わってしまい、あまりのマズさで「オエッ」となってしまいかねないから、嚙むのもそこそこに一気呵成に飲み込んでしまうのである。飲み込みさえすれば、うまいもまずいもなくなる。

こうして私はとんでもない「早食いの体」になってしまった。あれから半世紀以上経った今でも、とにかくメシは速く食ってしまわないと変な気持ちになってしまうのだから、我ながら情けない。

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心と体」カテゴリの記事

コメント

だっしふんにゅう!!あれまずかったよねぇ!下呂はきそうになったよ!(←うさ公、なんでしってんの?ww)そうか!まずいものは味をかんじないうちに一気にのみこんでしまえばよかったんだ!(←あとの祭りww)

投稿: 太陽系調査員しょにょいち | 2019年11月21日 00:48

おはようございます~~わかったあ~
私が早メシ食いになった訳~
あの給食のミルク!!!!!!
まずい===!!!!!!!!
泣きながら飲んだあのミルク===!!!!
おエツ===!!を連発
苦しい思い出・・・・

投稿: tokiko | 2019年11月21日 06:30

tokikoしゃんもでしゅか!!( ̄ー ̄)それとさ、冷え冷えの汁にひたしてたべるソフトめん(茹で麺)とか煮こごり状態のカレーとかね。あれで不味いものにめっちゃ耐性がつきましゅたww(←うさ公、何年ちきうにいるんだよw)

投稿: 太陽系調査員ノウサギ1號 | 2019年11月21日 11:51

給食にでてくる脱脂粉乳を戻したミルク(?)を不味いという生徒は極々少数でした。ここで皆さんが言うほど不味いものではなかったです。多分、給食のおばさんの腕がよかったのだと思います。

投稿: ハマッコー | 2019年11月21日 19:45

太陽系調査員しょにょいち さん:

いやはや、脱脂粉乳の給食を知っているとは驚き!

投稿: tak | 2019年11月21日 22:35

tokiko さん:

tokiko さんもやはりそうですか。
おえっとならないうちに飲み込むワザを身に付けられましたね。

投稿: tak | 2019年11月21日 22:38

太陽系調査員ノウサギ1號 さん:

給食を食ってまずいものへの耐性がついたというのは、ちょっと悲しいお話ですね。
やれやれ。

投稿: tak | 2019年11月21日 22:39

ハマッコー さん:

あれ、粉をゆっくりと溶けば、焦げ臭くはならなかったんですよね。
給食のおばさんが焦らずにやってくれればよかったんだと思います。

投稿: tak | 2019年11月21日 22:41

当時は「お前ら、旨いのまずいの冷めてるだの少ないのだのと文句言うんじゃないぞ!食べられるだけ幸せと思え!」というメンタリティでしたね()
そういえば最近、不味いものってあまりないなぁ、と思っていましたが、あっ、ありました。某大手印刷会社の食堂。だれでも利用できるんですが、まぁ一般のかたは黙ってても利用しないだろう、という内容の食事。私はやむにやまれぬとき(腹がへって倒れそうだ、とか)しか利用しません。…←これ、具体的な社名を書いてないから守秘義務違反にはなりませんよね( ̄ー ̄)

投稿: 太陽系調査員しょにょいち | 2019年11月22日 12:49

takさま
ごきげんよう~
そうなんです!
私、まずいと感じるより先に
ぐいぐいぐいっと一気飲みしたら
吐かなくてすみました。
それが、私の食事スタイルに変化したようですね。
何でも、おいしいものを味わっていただくという
麗しい食事のマナーが身につかない哀しさ。涙
これはこれで、ほんとうに、残念なこと。
だれよりも早く、あっと言う間に食べちゃうの。
顔に似合わないのよ・・・えへ

2日前、食事会を4人でしたの、そして
皆さんが
「ああ、フォアグラ~」
「わ~フォアグラねえ、おしいしい~」
「あら~フォアグラだわン~」
と言ってましたが、
《私 、あれ?フォアグラさっき食っちまったぜ!あら?
どうだったっけ?》
っってなことで…涙

投稿: tokiko | 2019年11月22日 20:52

太陽系調査員しょにょいち さん:

大手印刷会社と言ったら、凸版印刷と大日本印刷しかないじゃん。
で、一般でも利用できる社食と言ったら、あ、わかった。

これ以上は書きません ^^;)

投稿: tak | 2019年11月23日 00:08

tokiko さん:

お気持ち、よ〜くわかります。わかりすぎるほどわかります。

涙なくして語れませんね ^^;)

投稿: tak | 2019年11月23日 00:09

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