猫が高いところから降りるとき
『知識連鎖』というまとめサイトに「木登り名人の猫、降りるのは苦手?降りられないで救助されるニュースが多い」という記事がある。高い木などに登った猫が降りられなくなり、人の手によって救助されるケースが多いという話だ。
『知識連鎖』では、次のような海外の例を挙げている。いずれも『らばQ』に載ったニュースで、画像入りで紹介されている。
2009年03月31日 18:16
かなりチャレンジングな高い木から降りられなくなった猫の救出作戦
2010年01月22日 18:54
子猫が高架橋の上から降りられなくなった…60歳の登山家おばあちゃんが颯爽と現れ救出
日本の例もある。「本社前で “木登りネコ” の救出劇」という 2009年 12月 15日付読売新聞の記事というのだが、リンク先の記事は既に削除されているようだ。知識連鎖の書き込みでは次のようにあって、確かに「救出」と言っていいのかどうか、疑問なケースではある。
「驚いた子ネコは、一度は飛び降りて、隣の木に逃げ込みましたが、無事に捕獲されました」とあって、「えっ、それって、救出してなくない?」という説明でした。
さらに 「必ずしも木の上にいる猫に救出が必要とは限らない、としている人もいました」という OKWAVE の記事(参照)の紹介もしてある。とくに助けなくても、猫というのは結局は自分で飛び降りるというものだ。
上述の読売新聞の記事でも、実は自分で飛び降りているようだし、救出しようとして下で人間が騒ぐほど、猫にとって飛び降りにくい状況になっているだけということのようだ。要するに「ありがた迷惑」なのかもしれない。
ただ、猫にとっては登るより降りることの方が難度が高いというのは事実のようだ。かの文豪、夏目漱石も『吾輩は猫である』の中で、猫の「爪の向き」の考察から次のように述べている。
猫の爪はどっちへ向いて生えていると思う。みんな後ろへ折れている。それだから鳶口のように物をかけて引き寄せる事は出来るが、逆に押し出す力はない。
(中略)
吾輩の爪は前申す通り皆後ろ向きであるから、もし頭を上にして爪を立てればこの爪の力は悉く、落ちる勢に逆って利用出来る訳である。従って落ちるが変じて降りるになる。実に見やすき道理である。しかるにまた身を逆にして義経流に松の木越をやって見給え。爪はあっても役には立たん。ずるずる滑って、どこにも自分の体量を持ち答える事は出来なくなる。是においてか折角降りようと企てた者が変化して落ちる事になる。
それでも猫は木から下りるときは、悉く頭を下にして駆け下りるもののようだ。上の写真は、木に登ろうとしてにっちもさっちもいかなくなった子猫を親猫が助ける動画を掲載した Twitter 記事の紹介(クリックで元記事に飛ぶ)だが、子猫を口にくわえた親猫もやはり、軽い気持ちで逆さになって駆け下りる。
猫というのは、よほど運動能力の高い生き物のようなのである。「小型の猛獣」というだけのことはある。
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コメント
ぼくがみたところ、猫さんには「あぶない」という感覚はほとんど無いみたいだね。高層アパートの窓から出した花かごの上でスヤスヤ眠る猫さんの映像を見たことがあるし、ぼくがいつも自転車で通る隅田川の、高さが10mぐらいある岸壁の上でまったりしてるのをよく見るよ。あの高さじゃ、飛び降りても大けがは確実だから心配するけど、へたに「あぶないよ」とか声がけするとほんとに飛び降りかねないから、そっとしとくけどね( ̄ー ̄)。
そのくせ、ぼくの顔をみるとものすごいスピードで逃げるし、警戒心は強いみたい。まったく難儀なイキモノだよね( ̄ー ̄)。
投稿: 太陽系調査員しょにょいち | 2019年11月30日 09:57
太陽系調査員しょにょいち さん:
猫はものすごく近視なのだそうです。かなり高いところにいても下が霞んでよく見えないので、自分が地上遙かな高さにいると認識されず、ぞっとしないで済んでるのかもしれません。
ド近眼ゆえに、飼い主でさえ近くまで寄らないと識別できないといいますので、得体の知れないのが近付いてきたら「とりあえず逃げとくか」ということなのかなあと思っています。
投稿: tak | 2019年11月30日 20:19
takしぇんしぇいは猫の生態にもくわしいんだね!そんけーしましゅ! あとさ、猫っていえば、いつもグダグダ寝てばかりいるのに、獲物をみつけるや電光石火の動きをみせるし、とつぜん自分の身の丈の数倍はあろうかというところに飛び乗ったり、まったくわけがわかんないよ。ああみえて、人類がいなくなったあとはちきうの支配者となるべく虎視(猫視)眈々とねらってるのかもしれないね!うん!きっとそうだ!( ̄ー ̄)( ̄ー ̄)
投稿: 太陽系調査員しょにょいち | 2019年11月30日 21:45
太陽系調査員しょにょいち さん:
私の祖母は近所でも有名な「猫ばあさん」だったということを、2011年 4月 27日のブログに書いています。
https://tak-shonai.cocolog-nifty.com/crack/2011/04/post-0fec.html
子どもの頃は「犬 1匹に、猫が何匹だかわからないほど」いたので、自然に犬猫については馴染みが深まりました。
今は犬も猫も 1匹もいない暮らしですが、かなり物足りない気分が隠せません。
投稿: tak | 2019年11月30日 22:07
わんこは1匹ほしいでつね。どんなにおそく帰ってきても、ワンワンいってしっぽふりふりでてくる(←妹のわんこでつ)のをみると「愛いやつよのう!ほうびをつかわす!」ってなっちゃいまつ( ̄▽ ̄)( ̄▽ ̄)( ̄▽ ̄)
投稿: 太陽系調査員しょにょいち | 2019年11月30日 22:17
太陽系調査員しょにょいち さん:
犬の魅力は「律儀さ」で、猫の魅力は「勝手さ」です (^o^)
投稿: tak | 2019年11月30日 22:26
でも猫しゃんも、生まれたときから「お前はわんこだ、お前はわんこだ」と語りかけて、リードをつけて散歩につれていき、わんことばかり遊ばせたら、「そうか、自分は犬だったのか」と気づき、「律儀な猫」になるかもしれましぇんね(←じゃぁお前やってみろよ)
投稿: 太陽系調査員しょにょいち | 2019年12月 1日 09:10
太陽系調査員しょにょいち さん:
何代にもわたってトライし続けなければならないんじゃないかなあ (^o^)
投稿: tak | 2019年12月 1日 23:33