四国からの帰路、アンパンマン列車で
昨日、四国から帰ってくる際に、岡山まで乗ったのが「特急しおかぜ 10号」で、これが最近 JR 四国が運営している「アンパンマン列車」というやつだった。作者のやなせたかしさんの父親が高知県香美市出身という縁で、そこには "やなせたかし記念館「アンパンマンミュージアム」" というのがあるという。
これ、子どもには人気らしいが、乗ってみれば単にフツーのローカル線特急列車で、別にどうってことのないものだった。かと言って、列車の内装までアンパンマンのモチーフで埋め尽くしてしまったら、乗ってて疲れてしまうだろうしね。
疲れてしまうといえば、このアンパンマン列車で前の座席に座ったのが出張帰りらしい 2人連れで、上司らしいオッサンがのべつ大声で、自分の業績の自慢話と関連会社の幹部の無能振りを馬鹿にする話をし続ける。息を吸う以外は 1秒の感覚もおかず喋り続けるのだから、その体力たるや大したものだ。
これを延々と聞かされていた若い社員こそ気の毒である。初めのうちはテキトーに相槌を打っていたが、そのうち疲れ果ててしまったらしく、ただひたすら黙って聞くだけになっていた。
こうした状況だと、私も若い頃は血気盛んだったから「静かにしろ!」と恫喝する役割を演じていたものだが、今回はただ「困ったオッサンだなあ」と呆れて、心を窓の景色に飛ばしていた。すると 2列前の若い女性が堪りかねて「少し静かにしてくれません!?」と、強い口調で抗議した。うむ、なかなかエラい。
このオッサンとしては、同じことを男の私に言われるより、若い女性に言われたことでより屈辱を感じたようで、以後ずっと一言も発せずに黙りこくってしまった。周囲はこの一瞬を境に別世界に変じてしまい、とてつもないコントラストを醸し出したのだった。
おかげで列車内には平和が訪れた。ただそれだけで済めばいいが、この列車を降りた後で、今度は若い部下がこの若い女性に対する暴言のオンパレードを聞かされることになるのではないかと、少々心配になった。世の中、本当にいろんな人がいるものだから。
アンパンマンの平和なデザインの特急列車内では、浮世のいろいろな思いが錯綜していたのであった。
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コメント
築地のオッサングループといい勝負ですね。
(自慢話+悪口)×大声≧ バカッ話×大声×酔っ払い
いや、逆かも。
投稿: ハマッコー | 2019年11月 2日 02:14
上司「シオシオのパー」ww
それはそうと、すいぶんけばけばしいデザインの列車ですね。おっさんは眼がティカティカしそうです。でもま、あれですね
。「ねえねえアンパンマンの電車のりたいようのりたいようのりたいようのりたいようのりたいよう!」「しかたがない、次の休みに連れてってやるか」となり、売り上げアップには効果的なんでしょうね。しらんけど( ̄ー ̄)
投稿: 黒兎男爵 | 2019年11月 2日 09:39
ハマッコー さん:
ほほう、築地のオッサングループとは幸運にも乗り合わせたことがありませんが、できることなら避けたいですね。
投稿: tak | 2019年11月 2日 09:52
黒兎男爵 さん:
乗ってしまえば中身はフツーのローカル線特急ですから、停車してから乗り込むまでのほんの短い間に、ホームでアンパンマン列車をバックに V サインで記念写真を撮ることしか、することはないと思います。
それ以外は、パッケージツァーでセットになったイベントに参加するとかがあるでしょうが、単なる旅行者には関係ない話ですね。
子どもとしては、その記念写真をネタに 2〜3年は盛り上がり、その後は「こんな時代もあったなあ」と懐かしむだけでしょうね。
投稿: tak | 2019年11月 2日 09:58
https://tak-shonai.cocolog-nifty.com/crack/2016/09/post-c382.html
2016/09/18に築地のオッサンと乗り合わせた時の記事を書いてますよ。
投稿: ハマッコー | 2019年11月 2日 19:39
ハマッコー さん:
あ、本当だ。すっかり忘れてましたが、自分の記事を読んでありありと思い出してしまいました。
あれはこれまでの中で最高にひどかったです。
投稿: tak | 2019年11月 3日 16:14