「プレミアムフライデー」が、まだ生きていたとは
そう言えば先月末の 11月 29日にカーラジオで、「今日は今年最後の『プレ金』です」と言っているのを聞いて、「『プレ金』って、何だ?」と思ってしまった。番組では、「来月もあるじゃないですか」、「いや、来月はどうせ年末のお休みに入っちゃうから・・・」なんて言っている。
ますます「???」になってしまい、家に帰って調べると「プレ金」とは「プレミアムフライデー」の省略形であるという。「ありゃ、プレミアムフライデーって、どこかで聞いたことがあるな」と思ったが、実は「聞いたことがある」どころか 2年前には、このブログで 2度も書いているのだった。
"月イチの午後 3時退社より、毎日定時退社の方が" (2017年 2月 19日付)と、"午後 3時に退社してまで同僚とツルんで飲みたいか" (同 2月 25日付)という 2本の記事である。自分で書いた記事を読んで、今さらのように「月末の金曜日は午後 3時に退社しよう」という、個人消費喚起のキャンペーンだったことを思い出した。
なにしろ最近はすっかりフリーランスの生活に馴染んでしまって、ほとんど曜日を意識しなくなっている。金曜日だからといって、勤め人だった頃のようなウキウキした気分にならないのだ。
そんなわけで、あれから 2年経った今でも「プレミアムフライデー」なんていう話が生きていたとは、ちっとも知らなかったのである。世の中一般としても、もはや「そんな話もあったねえ!」程度の認識なんじゃあるまいか。
そもそも考えてみれば、どうして「月末の金曜日」でなければならないのか、まったくしっくりこない。多くの会社にとって「月末の週末」なんて、普段以上に忙しいだろうに。
こんな設定したのは、当初から「月末は早めの退社なんてムリです」という言い訳を容易にしてさっさと骨抜きにするという、予定調和的なソンタクがあったとしか思われない。何しろ、プレ金導入企業というのは 10%未満だそうだから(参照)。
このプロジェクトの事務局をしているのは、広告代理店の博報堂である。私の偏見かもしれないけど、博報堂ってやることなすことこんなふうに中身の伴わない一過性のものが多い。
大昔、1980年代には、「『ウール』という言葉は古くさいから、『メリノ』と言い換えよう」なんて言い出したことがある(参照)。「メリノ」というのは、衣料用羊毛を供給してくれる羊の種類のことだ(参照)。
この「メリノ・キャンペーン」には立場上、私自身も否応なく直接巻き込まれていたが、内心では「日本人が『ウール』を『メリノ』なんて呼ぶはずがないだろうよ、博報堂さん」と思っていた。「牛乳」と呼ばずに「ホルスタイン」とか「ジャージー」とかに言い換えようったってムリなのと同じことだ。
こんなキャンペーンが屁の役にも立たなかったことは、世の中で「寒くなったから、メリノ・セーター着よう」なんて言い出すのは誰もいないことで、しっかり証明されている。あの時に博報堂に払った大金は、一体何だったんだろう。
最近では「リーママ」とか「キャリジョ」とか「ソロもん」とか「CONPYRA」とかいうプロジェクトをご存じだろうか? ちょっと時間が経ってしまうと、口にするのも気恥ずかしくなる。
博報堂はネーミング・センスからして「オヤジ」だよね。
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