年賀状のジェネレーション・ギャップというものから考える
リアルな葉書ベースの年賀状というものは、いくら何でも曲がり角に差しかかって久しいと認識している。個人的には年賀状を毎年作るというのはある種の自己表現として楽しみでもある(こんな感じ)のだが、それをいちいち葉書に印刷して投函するというのは、かなり負担と感じるようになった。
今年受け取った年賀状の中にも、「そろそろ〇〇歳にもなったので、年賀状は今年をもって最後にしたい」と、いわゆる「年賀状仕舞い」を宣言するものがチラホラ増えている。大体 80歳を超えた人に多いようだ。
「ああ、私も早く 80歳過ぎたい!」なんて思ったのだが、昨年 12月 24日の記事で「今 67歳だから、あと 10年で 77歳。それだけ生きれば、もう十分というものだろう」なんて書いてしまったから、80歳にこだわることもない。自己表現の楽しみとしての年賀状は、ブログや SNS に掲載してしまえばいい。
とはいいながら、私より若い世代向けにはそれで十分だと思っているが、70歳以上の連中はインターネットなんてものにとんと縁のないのが多いから、それで済ませるというのもやりにくい。彼らは「団塊の世代」と言って、日本で一番人口の多い年代だし、平均寿命も延びてきていることもあって、なかなか厄介だ。
地元のいろいろな会合でも、運営者側が「今後は合理化のために、連絡や書類送付はメールという形に統一したい」と提案しても、「自分はインターネットなんてやらないから、従来通り紙ベースで送ってもらいたい」なんてゴネるのは、大抵 70歳以上の年寄りである。それで連絡手段がダブル・スタンダードになってしまう。
今どき、連絡書類をいちいち人数分紙にコピーして折りたたみ、封筒に入れて切手を貼り、投函するなんて作業を事務担当者に強いるのは、理不尽というものである。それに気付かず、相変わらず「インターネットは特殊技能」なんて思っているのは、「そろそろ隠居した方がいい」ということなのだが。
東洋経済に ”「年賀状やめた人」 ほど世間体が気になっている” という記事がある。これを読むと、「インターネットができないからそろそろ隠居」とならないのは、「インターネットができなくても、世間の有力メンバーであり続けたい」と願うのと共通の根っこをもっているとわかる。
個人的には「メールや SNS をやりたくなかったら、そうした者同士で『隠居サークル』的な共同体を作って、それなりに楽しくやればいいい」なんて思ってしまう。そうした上で、葉書ベースの「リアル年賀状」の届く枚数が極端に減ったとしても、気を悪くしないでもらいたいのである。
そうなったとしても、「現役世代」と「隠居サークル」の橋渡しをするサービスというのは必ず出現して必要な機能を果たしてくれることになるから、「姥捨て山(爺捨て山?)」を待望するってわけじゃない。そのあたりはきちんと理解していただきたいのである。
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コメント
年賀状の文化を守りたい人達。
·日本郵便
·プリンタメーカー
·インターネットに無縁な人
そろそろ止めたい(止めてほしい)と思ってる人達
·lineなどのSNSで充分と思ってる人
·後期高齢者かその一歩手前の人
·年賀状の販売ノルマを押し付けられてる日本郵便関係者
·企業
まだ前者の力が強いでしょうか。
企業などは大変ですね。それだけで相当なコストがかかる。
取引先の担当者名はコロコロ変わるだろうし、役職名も間違えたら大問題?
スーパーゼネコンの総務部長席に千枚くらいの年賀状が積まれているのを見たことがあります。そんなの一枚一枚読んでるとはとても思えない。
スーパーゼネコンには何万枚も届く。それを担当者が部署別に仕分けする。出す方も受ける方も大変ですね。企業間の年賀状はまずなくならないでしょう。
個人間の年賀状で一月五日以降に届くのは「年賀状仕舞いを望んでいるのかな」と忖度して止めるようにしてます。
実際、翌年から来なくなります。
プリンタメーカーは年賀状縮小の流れを食い止めようと必死のようです。メーカーのサイトに跳ぶと、その年の年賀状のデザインが数百種類用意されてます。
前者がどう抗っても、十年後にはSNSが逆転していると思います。(十年後には出す相手も相当減ってるし、私もいるのか分からないのでどっちでもいいですけどね)
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投稿: ハマッコー | 2020年1月 7日 02:22
ハマッコー さん:
>スーパーゼネコンの総務部長席に千枚くらいの年賀状が積まれているのを見たことがあります。そんなの一枚一枚読んでるとはとても思えない。
そりゃまた、机の上に積むだけでエラいことですね。
>個人間の年賀状で一月五日以降に届くのは「年賀状仕舞いを望んでいるのかな」と忖度して止めるようにしてます。
それは「いい手」ですね。私もそうしましょう!
投稿: tak | 2020年1月 7日 14:54