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2020/01/16

"Best regards" が「よろしくお願いします」とはね

先日、仕事上の後輩に「英語で『よろしくお願いします』は、どう言ったらいいんですか?」と聞かれた。辞書を引き引き英語のビジネス・メールを書いていて、最後の「よろしくお願いします」のくだりで、はたと迷ってしまったのだそうだ。

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「そんな言い方、英語にはないよ」と正攻法で答えたのだが、彼は「じゃあ、メールの最後をどう結んだらいいの?」としつこく食い下がる。仕方がないので、「そんなのフツーに "Best Regards" でいいじゃん」とお茶を濁しておいた。

ところがしばらくすると、彼は「あ、本当だ」と、素っ頓狂な声を上げた。「Google 辞書で "Best regards" を引いたら、『宜しくお願いします』とバッチリ出てきました!」と言い、「さすが tak さん、ありがとうございます!」と頭まで下げる。

今度はこちらが驚く番である。「え、そうなの? 本当にそんな風に出てきたの?」と、彼の PC 画面をのぞき込むと、確かに下のように表示されている。(画像をクリックするとリンク先に飛ぶ)

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私はこれまで、"Best regards" は単に英文レターの最後の決まり文句としか思っていなかった。"Dear 誰それ” が「拝啓」だとすれば、"Best regards" は「敬具」みたいなものという理解である。モロに「宜しくお願いします」と翻訳しちゃったのは、Google の「乱暴な英断」と言っていいだろう。

「よろしくお願いします」は多分に日本語独特の「雰囲気のモノ」でしかないから、具体的に「何をどうよろしくなのか」と聞かれても、まともな説明なんて誰もできない。そして根が日本語より具体的な言葉である英語には、そうした「曖昧な言い草」を「一言でバッチリ言い換えられる表現」なんてない。

「My スキ 英語」というサイトの "英語で「よろしくお願いします」|6つの場面で使い分ける!" というページは、その意味でとても実践的な解説である。場面ごとにいろいろなうまい言い方が提案されていて、"Best regards" というのは、その中の 1つということになっている。

というわけで、日本語の「よろしくお願いします」は便利すぎるほど便利な言葉である。英語ならいろいろな表現を使い分けなければならないところでも、この一言でたいてい済んでしまうのだから、日本語という「雰囲気言葉」の最大の強みというほかない。

あまりにも便利でビジネス・メールでもつい多用してしまうので、私は PC でもスマホでも「よろおね」と入力すれば「よろしくお願いします」に変換されるよう、単語登録している。おかげでこれまでに、時間を何千秒節約できたか知れない。

しかもさらなるバリエーションがあって、「よろしくお願いいたします」は「よろいた」、「宜しくお願い申し上げます」は「よろもう」で短縮登録してある。「よろもう」の場合のみ、ビミョーなニュアンスを尊重して「よろしく」ではなく「宜しく」と、よそ行きに変換されるのがミソだ。

いっそのこと「べすりが」で "Best regards" に変換されるように、登録単語を増やしてしまおうかと一瞬思ったほどだが、まともに考えれば、それはあまり意味があるとは思えないね。

 

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