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2020年2月 1日

充電規格統一と「ひとあし飛び」という言葉を巡る冒険

GIZMODO に「ついに! EU が充電規格統一を可決。一番困るのは Apple より...」という記事がある。「欧州議会が 30日、582 対 40 の圧倒的多数で充電規格統一決議を可決しました!」というのだ。

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「もちろんEU限定ですけど、ぐるぐる巻きのケーブル、コロコロする充電器の置き場所にお悩みのみなさまには明るいニュースですね」とある。規格統一で、いろいろありすぎるケーブルや充電器の「ゴミ化」を防ぐのだそうだ。ただ EU 限定ということで、日本市場は直接の影響を受けない。念のため。

どの規格に統一されるのかは未決定だが、Android ではデフォルトになっている USB Type-C が最有力視されているらしい。ということは、Lightening ケーブルという独自路線の Apple には不利な決定のように見える。

しかし実際には、Apple も "USB Type-C to Lightning ケーブル" というのが開発済みなので、それほどの打撃は受けずに済みそうだ。さらに今後はむしろ、ケーブルの種類に制約されないワイヤレス充電の方向に進みそうだという。

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私が驚いてしまったのはむしろ、このニュースの「ひと足とびにワイヤレス充電という話もありますし」というくだりだ。多分「一足飛びに」(いっそくとびに)という表現を「ひと足とびに」と誤読してしまっているのだろうが、そうだとしてもフツーに「一足飛びに」と表記すればよかったのに。

PC での原稿入力の際に思い込み通りの「ひとあしとびに」と入力すると、どうしても「ひと足とびに」に変換されちゃうのかと思い、試しに ATOK で「ひとあしとびに」と入力すると、あっさり「一足飛びに」に変換された。ただ ≪「一足(いっそく)飛び」の誤り≫ という但し書きが表示される。

さらに慎重を期すために、手持ちの古い Windows PC を引っ張り出して MS-IME で「ひとあしとび」と入力しても、変換候補の筆頭に「一足飛び」が出てくる。まあ、ATOK の方が親切ではあるけれどね。

ということは、このライター氏は Sam Rutherford という人が Gizmodo US に書いた "EU Officially Votes to Create a Standard Charging Adapter for Phones Despite Apple's Protests" という記事を訳すのに、わざわざ「ひと足」で変換決定してから「とびに」としたもののようなのだ。

よほど「ひとあしとび」という読みに固執しているものと見える。(そうした執念深さを誘発する表現は、原文には見当たらないのだけれどね)

さらに原文タイトルの "Despite Apple's Protest" (アップルの抗議にも関わらず)の部分を「一番困るのは Apple より...」なんて、妙に気を持たせる表現に意訳(超訳?)してるのは、この人、実は根が Apple 寄りなのかもしれないね。

 

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コメント

冒頭に紹介されたサイトに飛ぶと、

「ゴミを増やす異端児」と見られる今日び、「独自規格で囲い込み」というのはもう古いのかも…。」というのがあります。

〝今日び″は〝今日日″が正しいようですね。〝きょうび″で変換すれば〝今日日″しか表示されないのになぜ〝今日び″になってしまったんだろう。〝きょう″と〝び″を別々に変換したのでしょう。

投稿: ハマッコー | 2020年2月 1日 22:20

ハマッコー さん:

私は「今日日」と書くしかない単語には抵抗があって、使うのを控えてます。

しかしこのライターさんは、「今日び」というさらにアヤシい表記をしてまでも使いたかったんでしょうね。

投稿: tak | 2020年2月 1日 23:15

仮にも文筆で飯を食っている方々には、そのあたりもう少し頑張ってもらいたいですね。

ちょっと毛色は違いますが、とあるクルマを紹介する記事で、車の大きさというのは全長×全幅×全高をミリメートルで表すのですが、
4,600×1,720×1,545
などと、「半角数字の3桁区切りを全角カンマで打つ」というとんでもない書き方をしているライターがいて、私なぞはこれが気持ち悪くてしょうがない。そこは
4,600×1,720×1,545
4600×1720×1545
でしょう。お前のIMEの親の顔が見てみたいという気分でした(笑) 

漢字変換で言えば、私は「おこなった」と「いった」がともに「行った」となるのに抵抗があり、「おこなった」は平仮名表記にすることが多いです。

投稿: らむね | 2020年2月 2日 01:47

私も「今日日」という単語は一度も使ったことがありません。
なんとなく美しくない言葉だという印象があるからです。

関西の若いニイチャンがよく使っていたという記憶があります。関東では一度も聞いたことがありません。

方言ではないようですが、使われる言葉に東西の差があるようです。

投稿: ハマッコー | 2020年2月 2日 06:08

らむね さん:

>4,600×1,720×1,545

⇧ これは結構よく見ますね。

やっちゃう人としても、決して気にならないわけじゃないんでしょうが、「パソコンではこうなっちゃうんだから、しょうがない」ぐらいの認識のようです。

その程度の「気になり加減」なので、ちゃんと修正しようとまでは思わないみたいですね ^^;)

投稿: tak | 2020年2月 2日 17:22

ハマッコー さん:

「きょうび」は、口語としてなら許せますが、文章の中には入れたくないですね。

口述筆記なら仕方ないですけど、その場合はかな表記するしかないと思ってます。

投稿: tak | 2020年2月 2日 17:25

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