「フツーの休日」としての建国記念の日
今日は「建国記念の日」。記念日の正式名称が「建国記念日」ではなく「建国記念の日」であるというのは、ゴチャゴチャした政治的事情による妥協の産物であって、その辺の事情は、President Online の "日本に「建国記念日」が存在しない本当の理由" という記事に詳しく出ている。
その政治的事情に関しては、「もういいわ」というほどわかっているのだが、それより何より驚いたのは、今日の午後 6時を過ぎて Google ニュース にアクセスしても、トップ画面に「建国記念の日」関連のニュースが 1本もないことだ。ちょっと前だったら、考えられないことである。
少なくとも 5〜6年前までだったら、賑々しく「建国記念の祝賀行事」を執り行う右側勢力と、それに反対して抗議活動を行う左側勢力の記事が、ほぼ平等に(これもまた政治的事情の産物)ニュースのトップ画面を飾っていたものである。ところが今日のトップは、例の「新型コロナウィルス」関連一色だ。
これは「左右対立」という政治コンセプトが、「日本の今」を有効に語る切り口として機能しなくなったことを意味すると思う。それで「建国記念の日」の意味合いが変わってしまっているのだ。
今となっては「建国記念の日」というのは、「年末年始の疲れを癒やすためのちょうどいい休日」ということになってしまっている。それ以上の意味を加えるのは、「消耗で無意味なゴタゴタ」の種にしかならないので、左右両陣営とも消極的だ。
というわけで、日本は客観的な「建国記念日」を特定できないほど歴史が古い国だから、「神話オリジン」にするしかない「東洋の神秘の国」ということで片づいている。そして記念日そのものは、もはや「フツーの休日」ということに落ち着いてしまったわけだ。
いかにも「東洋の神秘の国」らしいスタンスだと思ってしまうのだよね。
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