いけしゃあしゃあとダブルスタンダードで行けちゃう体質
昨日から関西方面に一泊二日の出張をしていて、まともにニュースに接する時間もなく、今夜帰宅してから Google ニュースで、"森法相の「震災で検察官が最初に逃げた」という発言が大問題” というのを見て、「一体、何のこっちゃ?」と思ってしまった。
そして TBS のニュースのビデオを見て、ようやく「へえ、そういう話か!」と大筋がわかった。いくら昨日があの 3.11 だったとしても、ちょっと突拍子もない話だよね。この森法相という人、「9年来の持論」で野党を牽制したつもりが、逆に墓穴を掘ったってことのようなのである。
2014年 9月に "「結婚したらどうだ」発言を巡る冒険" というエントリーでも書いたように、一部の(あるいは多くの?)政治家というのは「言わなくてもいいこと」とか「言うべきじゃないこと」を、得々として言うのがお好きらしい。そして大抵はそのせいで自分の立場を危うくする。
面白いのはこの森法相という人、野党時代の 9年前から同じことを主張していて、また思い出したようにほとんど関係のない筋道の話で蒸し返していたようなのだ。結構この話にこだわっていたのだね。
そして今回は「それは事実か?」と問い詰められて「事実です」と答えたものの、その直後にちょっとビビったのか「個人的見解」なんて言い出している。弁護士の資格をもつほどの人が、国会の場で法相として「個人的見解」を述べちゃったということのようなのである。
しかし総理に怒られちゃったので、「検察を所管する法相として、検察の活動について個人的見解を述べたのは不適切だった」と謝った。つまり「個人的見解としての事実」という本音には固執するが、「国会での法相発言としては不適切だった」として、建前的には撤回したってことだ。
というわけで、一人の人間としてそこまでいけしゃあしゃあとダブルスタンダードで行けちゃう体質というのは、スゴいことだと思うわけである。
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