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2020年5月27日

検察官定年延長問題と「テラハ・木村花」問題のリンク

「テラハ・木村花・・・云々」という話は、何のことだかさっぱりわからなかった。初めはファーストネームが「テラハ」で苗字が「木村花」という日系二世の話かなんて思ったほどである。

200527

私にとってこの話のそもそもの入り口は、検察官の定年延長などが盛り込まれた「検察庁法改正案」だった。いろいろな芸能人がこの法案に反対する tweet をして結構な話題となり、ドサクサ紛れの法案成立を狙っていた安倍内閣の思惑が崩れてしまったのは記憶に新しい。

こうして Twitter などでは「タレントの政治発言」が大きな話題となった。肯定的に評価されるケースが多かったが、逆に否定的な反応もあったらしい。そしてなんだか知らないうちに、「ネットでの政治発言」を「ネットでの誹謗中傷」にすり替える動きまで出てきたように思う。

これは President Online に "きゃりーぱみゅぱみゅの「政治的発言」を叩くファンは、何に怒っているか" という記事が載るほどの話題になった。この段階で、芸能人やタレントの振る舞いを、ネットで「叩く」というベクトルが生じていたようなのである。

そしてどういうわけかこの論調の一部には、「テラハ木村花」問題につなげる傾向まで見られた。検察官の定年延長問題からタレントの政治発言、そして東京高検検事長の賭け麻雀発覚までの流れは理解できたが、そこから先が、私にはさっぱりわからなかったのである。

私はテレビをほとんど見ない人だから、Netflix なんてものはさらに馴染みがない。「テラハ」というのが「テラスハウス」というリアリティ番組の略称だとか、木村花というのが女子プロレスラーの名前であり、その女子プロレスラーがネットでの反応を苦に自殺したなんてことも、昨日になって初めて知った。

で、この一連の流れの焦点というのは、ネット上の「叩き=誹謗中傷」ということのようなのである。この関連で政府は、匿名の誹謗中傷発信者を特定するための制度改正の検討に入ったとされる(参照)。しかしこれは、ヤバすぎる話だ。安倍政権は「ドサクサ紛れ」がよほどお好きらしい。

「誹謗中傷」発信者の特定というだけなら聞こえはいいが、これがスタートしたらそれで済むはずがない。今回の検察庁法改正案への反対 tweet みたいなものも、確実に一緒くたにされてしまうだろう。なにしろ政府中枢にいるのは「政治批判」と「誹謗中傷」の区別の付かない人たちのようだから。

本来まったく別のストーリーのはずの検察庁関連法案と、女子プロレスラーの自殺が、当初あたかもリンクしているかの如く報じられた背景には、ネットでの政治的発言を抑える思惑があるんじゃないかと、私なんか思ってしまうのだよね。

安倍首相という人は、政権側に都合の悪い話は妙な法律を作ってでも抑え込みたいと思っているというのが見えてきた。まったくもう、戦前じゃあるまいし、こんな話を許してしまっては、ロクなことにならない。

 

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コメント

んー…これに関しては、どうにも微妙というか。
そもそも検察庁関連法案のトゥイートを煽動した人たちも
どれだけ内容を理解してハッシュタグをつけたのかわかりませんし、
それを民意みたいに国会で言ってた人たちもなんだかなあって感じです
(´・ω・`)
個人的にはトゥイッターはゆるく楽しい場所であってほしいです。

投稿: ひろゆき王子 | 2020年6月 1日 23:07

ひろゆき王子 さん:

確かにビミョーといえばメチャクチャビミョーです。

それだけに、「ゆるく楽しい場所」であることをキープするために、余計なことはしないでもらいたいと思っています。

投稿: tak | 2020年6月 2日 05:15

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