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2020年5月26日

「アベノマスク」着用を大真面目で求める中学校

埼玉県深谷市の中学校で配布された通達プリントに、「アベノマスク着用」を求め、忘れたら指導すると読み取れるような文言があったというので、びっくりしてしまった。「アベノマスク」というのは、中学校からの通達に用いられるほどの「正式名称化」していたのだね。

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この「事件」、Twitter では「右側」から「配られたものを使えというのに何の問題があるのだ?」とか「制服などはスルーしているのに、『アベノマスク』だけを問題にするのはどういうこと?」などとかなりの反撃が寄せられている。「アベノマスク」という名称は既に「確定事項」らしい。

それにしても、この「アベノマスク」を着用していない生徒は、一室に集められて指導されると読み取れる文言があるのだから、ちょっとした「ソンタク」である。単なるマスクではダメで、「アベノマスク」でなければならないと、中学校側では考えていたらしい。

これに関して、市教委の言い訳はこんなことのようだ。

市教委は25日、小柳光春教育長名で「国支給マスクの有効活用を考え、このような表現になってしまったが、決してこのマスクに限定するものではない」などとするコメントを出した

「限定するものではない」といいながら、配布プリントでは、アベノマスク着用でないと別室に集めて指導するみたいな書き方になっているのだから、この言い訳では矛盾してしまう。これほどまでにソンタクしながら、「アベノマスク」なんて言い方を大真面目にしているのだから、この混乱の度はなかなか面白い。

 

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コメント

うーんとですねえ、これは深読みすぎるかもしれないんですが、「子供が個々にバラバラのものを持ってくることでのトラブル」というのは一定数発生するんですよ。
アベノマスクは「ダサく、タダで簡単に手に入り、しかも世間的には批判されがちなもの」ですよねえ。つまり子供たちは着けたくないわけです。あるいはそれを気にしない子供も、着けていけば攻撃される理由になるわけです(ルックス、あるいは家庭の金銭事情などで)。
もちろんそんなのはごく少数派ですが、クラスに1人の「そういう子」がいて、3人の「そういう奴ら」がいれば、教師としては非常なストレスです。

暴論ですが、子供の持ち物やらもろもろの生活習慣は、全て同じである方が「ラク」なんですよねえ。おそらくそんなところから「もうハナから全員アベノマスクにしろって言っといた方がラクだしトラブルもないですよね」のような感覚で今回のお達しになってしまったんじゃないかと思いますねえ。
もちろん対応として間違っています。是とするつもりはありません。ですが別新聞の記事によると(炎上してから学校に聞き取り調査をしたであろう)教育長の「マスクを持っていない生徒への配慮として、国支給マスクの有効活用を考えてこのような表現に」という部分が、前述のような現場の事情を知ったうえで絞りだした苦渋の一文のように、私は思ってしまいます。

あと「アベノマスク」という呼称ですが、プリントの内容的にせいぜい1学年範囲の限定されたもので、チェック含めてわずかな人間しか関わっていないがゆえに、文言のミスチェックが機能しなかった(あるいは作成者が上役なので、気付いたが指摘できなかった)程度のことで、これをもって「そんな言葉を正式に使うのか」と批判するほどのことでは無いと思いますね。校長名や教育委員会発表の文書じゃ無いですから。

総じて、炎上するほどのことでもないのに炎上した典型だと思うんですよ。保護者が、ん?と思ったら
プルルル
「これってアベノマスク以外はダメなんですか」
「いえ、他のマスクでも大丈夫です」
で済んだ話なんじゃないかと。「twitterに晒す」って怖いですねえ。

投稿: らむね | 2020年5月27日 10:03

らむね さん:

「同じマスクの方がやりやすい」という学校側の思惑は、理解できます。私も「発端はそういうことだったんだろうな」と思いました。

ただ、アベノマスクでないと別室で指導みたいなのは、「ちょっとコワいな」と思った次第です。

投稿: tak | 2020年5月27日 19:05

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