「免疫力を高める食べ物」というアヤシい言い方
Gigazine に "SNSで流行している「新型コロナウイルスを予防する食品やサプリ」の多くはデマとの指摘、正しい情報を見抜く方法とは?" という記事がある。元記事は ”Coronavirus: there are no miracle foods or diets that can prevent or cure COVID-19” という英文の記事だ。
元記事のタイトルとしては「CORVID-19 を防いだり治癒できる奇跡の食べ物なんてないよ」と言い切っている。というわけで、一昨日のダイエット話、昨日の「コロナ太り話」に続いて、3日連続で「コロナとメシ」関連の記事になってしまうが、お付き合いいただきたい。
「新型コロナウイルスと食べ物」に関しては私も先月 15日、茨城県で感染者がゼロだった時点で次のように書いている(参照)。
身近な話でいうと、スーパーの店頭ではマスクやトイレットペーパーだけでなく、納豆まで品薄になっているという。「茨城県で感染者が出ていないのは、日常的に感染予防効果のある納豆を食べているから」なんて話がまことしやかに伝えられているらしく、溺れてもいないのに藁をもつかむ状況である。
この手の話は、常に眉につばを付けて聞かなければならない。納豆だから「藁をもつかむ」なんて言っても、発泡スチロールのパッケージばかりになった今どきは、洒落にもならない
Gigazine の記事では、"イギリスの栄養士で栄養学の学位も取得しているTaibat Ibitoye 氏の SNS 記事を紹介している。今回のコロナ騒動に関する食品に関するデマに関しては、端的には彼の次のアドバイスでまとめられる。
「イギリス栄養士会 (BDA) は特定の食品やサプリが COVID-19 を予防することはないので、免疫機能をサポートするためには、健康的でバランスのとれた食事を摂ることが大事だとの立場をとっています。私たちが通常の食事から得ている銅、葉酸、鉄、亜鉛、セレン、ビタミンA、B6、B12、C、Dなどを含む栄養素はすべて、正常な免疫機能の維持に関与しています」
要するに、「日頃から体にいい食べ物を、しっかりバランス良く摂取する」ということに尽きるようなのだ。急に納豆とかニンニクとかをせっせと食べ始めればいいというわけではないのである。
近頃は「〇〇を食べて免疫力を高めよう」なんて話が料理専門家からも出てくるので、私としては「何だかなあ」と思ってしまう。実際のところは、特定の食べ物で「免疫力が高まる」というよりは、要するに「きちんとバランスの取れた食事をしていさえすれば、元々の免疫力がしっかり働く」のだろう。
これこそが自然食や食養でいわれる「医食同源」ということの、本来の意味なのだろう。もし「これさえ食えば病気が予防できる」とか「治る」なんていうような食い物があったら、それは「食品」というより「薬品」に指定されちゃうから、フツーのスーパーの食品売り場で売れなくなってしまうじゃないか。
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コメント
免疫力を弱める薬はあるが、強くする薬はない。勿論、食品も。免疫力を維持するのは「休養」「睡眠」「バランスの取れた食事」「ストレスのない生活」それぐらいだそうです。…私には無理かも。
投稿: basara10 | 2020年5月21日 15:47
basara10 さん:
要するに、「免疫力を高める」というよりは、「免疫力を損なわない」という言い方の方が正しいようですね。
生活全般の「バランスの良さ」というのが鍵ですね。
投稿: tak | 2020年5月22日 06:02