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2020年6月16日

「誠実な人」が、つい「買いだめ」に走る

新型コロナウィルスによる感染症拡大の折、日本ではマスクが払底して「アベノマスク」なんてものが出現したが、Gigazine は 「世界各地でトイレットペーパーの買いだめが起こりました」と伝えている。そして買いだめしやすい人の性格には、ある共通の傾向があるらしい(参照)。

200616

ドイツの研究チームが世界 22カ国の成人 996人を対象として、人の性格に関するアンケート調査を実施した。この調査は「情緒」「誠実性」「正直さ・謙虚さ」「外向性」「協調性」「経験への開放性」という 6つの性格カテゴリにに基づいたものだったという。

調査の結果、トイレット−パーをより多くストックしやすいのは、「誠実性」を高く自己評価した人だということがわかった。つまり、そうした非常時に買い占めに走るのは決して「自己中心的な悪人」ではなく、実際は(誠実さ故に)「怯えている人」なのだと結論づけられたというのである。

さらに心理的には、トイレットペーパーが「主観的な安全の象徴」として機能していたことも示された。「誠実な人」が心の安定を得るために、「安全の象徴」であるトイレットペーパーの買いだめをしてしまうというのである。

英語表記だが、"Study: People who hoard toilet paper are just looking for a symbol of safety |" (研究: トイレットペーパーを買いだめる人は、単に安全の象徴を追い求めているだけ)という興味深いページもある。年長者は若い人より買いだめに走り、さらに米国人は欧州人より買いだめするとある。

つまりどんなに誠実な人でも、時としてその誠実さが逆に作用してしまうと、公共の利益に反する行動に走ってしまうのだ。人間の心理というのは、まことにもって一筋縄ではいかない。

ということは、理窟通りに諄々と説いて納得させようとしても、その努力は期待通りには実らないことが多い。結局のところ、理窟もへったくれもない恐怖政治的なものの方が機能してしまうことだってあるわけだ。

こうしたリスクに巻き込まれないためには、「誠実一辺倒」でいるよりは、ある程度「いい加減」な生き方に慣れ親しんでおく方がいいだろう。そう考えると、自分のチャランポランさの素晴らしい言い訳になってありがたい。

 

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コメント

その「誠実」が何に対して誠実なのかというと、「自己の不安に対して誠実」なのでしょうね。そして、その不安が起こした行動で他者が困るであろうことは想像できない。いやはや、困った「自己チューな誠実ちゃん」であります( ̄ー ̄)

投稿: くろうさ君 | 2020年6月16日 12:30

くろうさ君 さん:

まさに「何に対して誠実なのか」というのは大きな問題ですね。

周りの見えない「誠実」は、「自己チュー」のまたの名でしかないようです ^^;)

投稿: tak | 2020年6月16日 13:02

そもそもの話、誠実な人ともあろうものが「あなたは誠実ですか?」と聞かれて能天気にハイと答えるものかどうかというと……
その集合は「誠実」な人ではなくて、「実態を遥かにぶっちぎって自己評価が高い」人たちなのではないかという気がします。

投稿: 柘榴 | 2020年6月16日 21:57

なるほど。それはとても言えてると思います。

そうした人たちは「自分はいつも正しい」と何の疑いもなく信じたいみたいですね。その関連で、過去に何本か書いていますが、代表的なのは次の 2本かも。


「単なるお調子者」 の危うさ
https://tak-shonai.cocolog-nifty.com/crack/2014/03/post-d6b2.html


当たり前すぎることと細かいことしか言わない人
https://tak-shonai.cocolog-nifty.com/crack/2014/03/post-1a19.html

投稿: tak | 2020年6月17日 17:34

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