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2020年6月17日

アジサイの色は土壌の酸性度だけで決まるとは限らない

我が家の隣には空き地があり、塀際のシャリンバイ(参照)の両隣にアジサイが咲いている。下の写真にあるように、片方は赤紫色で、反対側は薄い青紫色だ。

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世間ではアジサイの花の色は土壌の酸性度によって決まると言われていて、酸性度が弱いと赤に、強いと青になると信じられている。リトマス試験紙とは反対に現れるというのがおもしろい。

しかし私は、昔からそれを疑問に思っていた。同じ空き地で 1本の木をはさみ、片方の土の酸性度は強く、反対側は弱いなどとは信じられない。

このことについてインターネットを調べてみると、Wikipedia の「アジサイ」のページに「花の色」という項目があり、そこに詳しく書かれていた。アジサイの花の色は、根から吸収される水分のアルミニウム・イオン量に影響されるということが次のように書かれている。

土壌が酸性だとアルミニウムがイオンとなって土中に溶け出し、アジサイに吸収されて花のアントシアニンと結合し青色を呈する。逆に土壌が中性やアルカリ性であればアルミニウムは溶け出さずアジサイに吸収されないため、花は赤色となる。

なるほど、基本的には広く信じられているように、土壌の酸性度がアジサイの色に強く影響するようなのである。しかし同じ株でも部分によって花の色の違うことがあり、これについては次のように説明されている。

同じ株でも部分によって花の色が違うのは、根から送られてくるアルミニウムの量に差があるためである。(中略)品種によっては遺伝的な要素で花が青色にならないものもある。これは補助色素が原因であり、もともとその量が少ない品種や、効果を阻害する成分を持つ品種は、アルミニウムを吸収しても青色にはなりにくい。

つまり、単純に土壌の違いだけでアジサイの花の色が決まるというわけではないようなのだ。品種によって色の現れ方に差が出るし、同じ株の内部でさえ、根から送られてくるアルミニウム量によって色の違いが生じるというのだから、なかなか複雑である。

我が家の裏の空き地のアジサイは、これだけ明確に色が違うのだから、多分品種が違うのだろう。片方は花が青くなるための補助色素が少ないか、青になる効果を阻害する成分を持ち合わせているかのどちらかのようなのである。まことにもって、自然というのは単純に割り切るわけにはいかない。

 

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自然・環境」カテゴリの記事

コメント

え~、色というのはですね、われわれが見ている、その物体が「色」を持っているというよりも、個々の物体によって光の反射率が違いまして、それをわれわれの視神経が感じとり、脳の「視覚野(だったかなw)」に伝えて初めて「色」が認識できるわけですね。
ですから、「色」というのは、われわれの脳の中にある、と言ってもいいんですな。ということは、脳の能力には個人差がありますから(たぶんw)、色がどう見えているかも個人差があるかもしれないわけでして、小学校の下校時に紫陽花がいっぱい咲いてるところを通ったけんちゃんとさよちゃんがいたとしますね。そしたら、けんちゃんが感じ取っている紫陽花の色とさよちゃんが感じ取っている紫陽花の色は違うかもしれないんですね。でもたぶん、紫陽花を見て「わぁきれい!」と思う、大筋のところでは同じ感覚で、けんちゃんとさよちゃんは心を通わすことができる、というわけですね。まったく神様も粋なことをなさいますな(  ̄▽ ̄)

投稿: ぽんこつはかせ | 2020年6月18日 09:37

ぽんこつはかせ さん:

世の中には「色盲」といわれる人もいて、フツーに感じられる色がわからないという場合もあるようですね。

でもまあ、大体は共通した色に見えているようで、サクラとヒマワリが同じ色に見えるなんてこともないようです。

同じ花を見て感動を共にできるというのは、本当にありがたいことでありますね。

投稿: tak | 2020年6月18日 15:09

そうそう、わしが言いたかったのはそれなんじゃよ。tak先生、わかっとるねぇ(←お調子者め)

投稿: ぽんこつはかせ | 2020年6月19日 12:47

ぽんこつはかせ さん:

こういう話題って、理系と文系の論理が錯綜して、難儀します ^^;)

投稿: tak | 2020年6月20日 07:16

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