「コロナ」の影響で、上海のコピー商品市場が窮地
TBS テレビが 7月 1日に報じた "上海最大 違法コピー商品市場が窮地" というニュースのビデオをたまたま見つけた。コピー商品販売の店が 400店ほど並んでいた地下街で、今、300店以上が閉店してしまっているというのである。
これは新型コロナウィルスによる感染症拡大により、外国人の入国が 3ヶ月にわたり制限されているためだ。ということは、これらのコピー商品の顧客の 7割以上は外国人で残りが中国人ということなのだろう。外国人の中には、当然ながら日本人も含まれるはずだ。
ビデオでは、「定価が 1万円以上する時計」が 200元(約 3,000円)、45万円するはずのバッグが「約 1万円」で売られていると報道されている。今どきこんなビジネスが続いていたのかと、ちょっと驚いてしまった。
1980年代のバブル全盛期は、街を行く「若いオネエチャン」が、ルイ・ヴィトンのモノグラムの入ったバッグをぶら下げていた。その中にはコピー商品も少なからず混じっていたのだろうが、そんなことはお構いなしだった。
しかしそれは 30年も前の話で、今となっては完全にアウト・オブ・トレンドなのだと思っていた。"有名ブランドロゴが入ってると逆にダサい" とか "世間の反応「ルイヴィトン、ダサくね?」" とかいう記事もあるほどで、既に「カッコ悪いことの典型」になってしまったという理解だったのである。
私自身、8〜9年も前にこんなような記事を書いているし。
ヴィトンのバッグがクローゼットの奥にしまわれる日 (2011/03/18)
ヴィトンの価値が変容した今 (2012/08/25)
しかし現実には、上海駅の地下街にそれほど多くのコピー商品の店があるというのだから、有名ブランドをありがたがる風潮は、今まだ消え去っていないようなのだ。世の中、本当にわからないものである。
個人的にはブランド全盛だったバブルの頃から、たとえ本物であっても「ヴィトンとかエルメスとか、ただでくれてやると言われても、邪魔くさいからいらねえ!」ぐらいに思っていた。そんなわけだから、金を出してまでその偽物を買おうなんていうメンタリティがまったく理解できない。
こればかりは、「人間の業の深さ」というほかないような気がしている。ただ、この TBS ニュースは「新型コロナの思わぬ余波で、コピー商品が溢れる中国というイメージが払拭されるかもしれません」と結ばれていて、「業にもいろいろあるものだ」と思ってしまったことである。
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コメント
ルイ・ヴィトンのモノグラムの入ったバッグを持っている人は殆ど見かけませんね。偶に見かけたとしても「まだそんなの持ってるの」と思ってしまいます。
相当量が押し入れに入ってるでしょう。
スーパー銭湯でおばさんがヴィトンのトートバッグ持ってきてたのを見て「終わったな」と確信しました。
投稿: ハマッコー | 2020年7月 6日 03:24
ハマッコー さん:
>スーパー銭湯でおばさんがヴィトンのトートバッグ持ってきてたのを見て「終わったな」と確信しました。
わはは (^o^)
昔は「一生使えるのだから、高い値段でも投資の価値はある」なんて言われてましたが、実は「流行り物」でしかなかったわけですね。
50万円出して 10年も使わないなら、1万円出して 3年使う方が、比較にならないほど賢い買い物です。
投稿: tak | 2020年7月 6日 06:31