自然破壊進行で、動物から人間への感染症増加
新型コロナウイルス感染症(corvid-19)のような動物と人間との間で感染する病気は、「動物由来感染症(ズーノーシス/zoonoses)」と呼ばれる。そして HUFFPOST は、このズーノーシスが自然破壊の進行に伴って増加するという国連の警告を伝えている(参照)。
実を言えば、昨日の当ブログの「肉を食うのは環境によくない」という記事も、本日のこの問題との関連で論じるために、10ヶ月も前の昨年 9月の HAFFPOST の記事(参照)をほじくり出して書いたものだった。つまり肉食と環境破壊、そしてズーノーシスは、一つながりで語られていい問題ということだ。
ちょっとペダンティックに迫ると、ズーノーシスはラテン語では xenosis(ゼノーシス)となり、日本獣医学会のサイトに「xeno はラテン語で異種、nosis は病気の意味」とある(参照)。なるほど、英語で考えると「動物園の鼻?」となってしまうが、"noses" の元はラテン語の "nosis" だったのか。
HUFFPOST によれば、「これまでに確認されている感染症の 60%、最近新しく認知された感染症の 75%がズーノーシス」だという。つまり、時代が下るにしたがってズーノーシス感染に加速度がついているわけだ。これは人間による自然破壊拡大の「因果応報」的結果といえるだろう。
ズーノーシスは古くはペスト、結核、赤痢、狂犬病、インフルエンザなどがあり、比較的新しいものでは、エイズや corvid-19 のほか SARS、MERS などが挙げられる。いやはや、結核やインフルエンザもズーノーシスとは、知らなかった。決して非日常的なものではないのだね。
このまま自然破壊が進めば、今回の corvid-19 以上に感染力が強くて危険な感染症が、いつ人間社会に入ってこないとも限らない。その意味でも、環境保護は決して閑人や金持ちの道楽ではなく、緊急の課題なのだと認識しなければならない。
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