漢字の「四」がこうした字になってしまったわけ
Quora という Q&A サイトに、「なぜ漢字の四はこんな形なのですか?」という質問が寄せられており、その回答が「へえ! 知らなかった!!」というレベルだったので、ちょっと感動してしまった。下の図は、その回答に添えられたものである。
寄せられた回答は、端的に言えば「当て字の方が正式な字になってしまったから」というものだ。つまり「四」という字は、元々は「当て字」だったというのである。
具体的な話はリンク先に飛んでいただければ詳しく書いてあるが、大昔の元々の漢字では、四というのは「二」を縦に 2つ重ねて書いた形、つまり「横棒が 4本」だったという。上の図の右側が、元々の 「一、二、三、四」だったというのだ。
ところが、見た通り「横棒が 4本」では、他の漢数字と続けて書いた時にわかりにくい。そこで、「シ」と読む同音異義の「四」を当て字として用いるようになり、いつの間にかその方が正式になってしまったというのである。
ちなみに「四」というのは、元々は「口の中に歯や舌が見える様子」を表した象形文字で、「息」を意味する漢字だったという。念のため重ねてググってみたが、"漢字の「一」「二」「三」の次がいきなり「四」になるのはなぜなのか?" というページにも同様の説明があるので、一応信じていいだろう。
いやはや、知らんことってあるものである。
こうなると "「五」という字は、「三」に縦の棒 2本を足してできたのか" なんて考えたくなってしまうが、それは「素人の浅ましさ」というもので、実際には下図のような成り立ちらしい(参照)。「五行説」から来ていて、結構深いのだ。
なるほど。「三」の字に単純に縦棒 2本を加えたら「日」の字になって、「火・水・木・金・土」の五行説からビミョーに離れてしまう。
以上、本日は「漢数字講座」のお粗末。
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コメント
「線4本は見づらいよ~」ということでしょうか。ローマ数字もⅢ・Ⅳと形が変わりますし。
このへんは、古代漢民族もローマ人も、同じ感性なんでしょうね。
投稿: らむね | 2020年7月17日 21:02
らむね さん:
>ローマ数字もⅢ・Ⅳと形が変わりますし。
おお、言えてますね。
そういえば、アラビア数字も 「2」と「3」は、漢数字の「二」と「三」を続けて書いたように見えてしまいます。このあたりはどうなんでしょうね。
投稿: tak | 2020年7月17日 21:14
私、コロナで仕事が激減してほぼ開店休業状態ですが、校正作業の合間に漢字を眺めるのが好きなんです。漢字をじっと見ていると、ほ~ら、いにしえの人の営みが目に浮かんでくるじゃあ~りませんか。いや~漢字って面白いですね( ´∀`)「四」さんについては、まぁそんなことだろうと思っていました( ̄ー ̄)。問題は「五」さんです。そんな深い意味があったとは。今後は「五」さんを見る目が変わりそうです(* ̄ー ̄)
投稿: ポンコツ男爵 | 2020年7月18日 00:38
ポンコツ男爵 さん:
漢字って、なかなか深いオモムキがあるんですね。
それにしても、「五」には驚きです。確かに見る目が変わります。
話は変わって、私も仕事は減ってますね。コロナの一段落が待ち遠しいところです。
ただ、無理は禁物 ^^;)
投稿: tak | 2020年7月18日 06:32
漢字といえば(そらきた)わからないことが色々ありますが、たとえば「檸檬」とか「鬱」、「薔薇」とかって、なぜこんな複雑な字なんでしょうね。「校正で食べてるんならこのぐらい書けるだろ?」なんて言われたら「うっ、心の臓が…」と仮病を使って逃げるつもりです(笑)。
それから、コロナで仕事が激減した件ですがw、末端の労働者である私には過去にもバブル崩壊時、リーマンショック時など、似たようなことが何回かありましたから、「この仕事もパッタリ無くなるかも」と心づもりはしておりましたので、「またきたか」という感じでした。そして、今回のはどうも長引きそうなので、あきらめて年金の1年繰り上げ支給を申請しました。未支給になっていた「特別支給の厚生年金」も申請して、こちらは早々に支給されましたので、節約生活をして、状況が好転したらまた仕事をやってやってもいいぞ(笑) 、仕事が無くても貧乏には慣れてるもんね、ぐらいに鷹揚にかまえています(笑)。
投稿: 辺境のポンコツ男爵 | 2020年7月18日 23:45
辺境のポンコツ男爵 さん:
仕事が減っても、支出を減らせばなんとかなりますね。
ある意味、仕事で使っても必要経費にできない支出ってのもありますから、節約節約 (^o^)
投稿: tak | 2020年7月19日 08:17
いまさらですがふと・・・
鬱は「リンカーンはアメリカンコーヒーを3杯飲む」と覚えるんだとか。
林缶ワ、※(米)コヒ、ノノノ(さんづくり)
おそまつでしたm(__)m
投稿: らむね | 2020年7月27日 01:16
らむね さん:
へへぇ! 初めて知りました。
ただ、生まれてから「鬱」を手書きしたことは一度もないので、実際の役に立つというよりは、「話のタネ」と理解させていただきました (^o^)
投稿: tak | 2020年7月27日 07:25
すごい!書けた!らむねさんありがとう!( ̄▽ ̄)
ただひっかかるのはねw、漢字って象形文字から派生したものにゃので、この「鬱」って文字は「心がふさいだ状態」を絵で表したものからできたと思うんだよね(←持論)でもぼくにはこの字、キャンプでアウトドアクッキングをしてる図にみえるんだけど、へんかなぁ?(*'▽')やっぱり、うつ状態のリンカーンが気持ちを奮い起こすためにコーヒーを立て続けに3杯飲んだ故事からきてるのかなぁ(←あんたもひまねぇ)
投稿: へっぽこ太陽系調査員 | 2020年7月27日 11:43
へっぽこ太陽系調査員 さん:
https://okjiten.jp/kanji2081.html
というページによると、こんな具合だそうです。
会意兼形声文字です。「大地を覆う木の象形と酒などの飲み物を入れる腹部の膨らんだふたつき土器の象形」(「柱と柱の間にある器」の意味)と「穀物の粒と容器の象形とさじの象形と長く流れる豊かでつややかな髪の象形」(「におい草」の意味)から、「立ち込めるよい香り」、「(よい香りが)ふさがる」を意味する「鬱」という漢字が成り立ちました。
>うつ状態のリンカーンが気持ちを奮い起こすためにコーヒーを立て続けに3杯飲んだ故事
下手すると、実話として一人歩きしそうなお話で、あぶない、あぶない ^^;)
投稿: tak | 2020年7月27日 14:46
tak先生に調べさせちゃったみたいでしゅみましぇんね!へえ〜!「鬱」っていう字、いろんな用法があるんでしゅね!でもさ、参照サイトの象形文字(?)をみると、あながちぼくの「キャンプでアウトドアクッキングをしてる図」っていう見方もまちがいじゃないでしゅね!なんかワイワイとたのしそうでしゅもんね!(得意顔w)これからは、「うつ」は「鬱」じゃなくて、?「塞」の字を使うように文化審議会国語分科会に提案してみましゅ!!(←やってみな)
投稿: へっぽこ太陽系調査員へっぽ | 2020年7月27日 22:27
へっぽこ太陽系調査員へっぽ さん;
「鬱」という字は、「鬱蒼」の「鬱」とイメージする方がすっきりしますね。
まさにアウトドアクッキングしているイメージ。
「塞」は、「気が塞ぐ」の字ですね。なるほど。ただ、「ウツ」という音のないのがネックかも (^o^)
投稿: tak | 2020年7月28日 06:13
へっぽこ太陽系調査員へっぽ さん;
「鬱」という字は、「鬱蒼」の「鬱」とイメージする方がすっきりしますね。
まさにアウトドアクッキングしているイメージ。
「塞」は、「気が塞ぐ」の字ですね。なるほど。ただ、「ウツ」という音のないのがネックかも (^o^)
投稿: tak | 2020年7月28日 06:13
文化審議会国語分科会のかた、「塞」という字に「うつ」という読みも追加してくださるよう、お願い申し上げます!(無理をいうな)
投稿: へっぽこ太陽系調査員 | 2020年7月28日 16:24
へっぽこ太陽系調査員 さん:
世の中には「慣用読み」という強い味方(?)がありますから、今から是非、慣用に仕立て上げてください(^o^)
https://tak-shonai.cocolog-nifty.com/crack/2019/02/post-2ee6.html
投稿: tak | 2020年7月28日 19:17
takしぇんしぇい、いろいろおしえていただき、ありがとうございましゅ!(←ちったぁ自分で調べようね)
投稿: へっぽこ太陽系調査員へ | 2020年7月29日 15:46