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2020年8月26日

「アベノマスク」という愚策をやってしまう体質

東洋経済 ONLINE 本日付に ”アベノマスクで露呈「無策でもやる」日本の悪癖/「何かせねば精神」が日本人を窮地に追いやる” という興味深い記事がある。ただ、「無策でもやる」というレトリックにはちょっと首を傾げるけどね。

200826

「無策」というのは「何もしないこと」なので、この見出し自体が矛盾である。ここは「愚策でもやる」と言い換えてもらいたいところだ。

とはいえ、それに続くフレーズの "「何かせねば精神」が日本人を窮地に追いやる" になると、「なるほど、言えてるね」という気がする。要するに実効性は別としても、何かしさえすればメンツは立つと考えがちなのが、「日本人の悪癖」だというわけだ。

この記事では、「オンラインで実施せよ」というトップからの指令が出てしまうと、実際にはオンラインでない方が趣旨に合う場合でも、とにかくオンラインでやらないと済まなくなるという例が示されている。要するに聞こえのいい言葉が自己目的化してしまうのだ。

この記事では「アベノマスク」に関して何が問題だったのかが、次のように説明されている。

マスク需要の増大は業界にとって格好のビジネスチャンスなので、早い者勝ちで作って売るほど利益が得られる。このため、短期間のうちに既存業者の増産と新規参入によって供給が拡大し、消費者がマスクの入手に困ることはほとんどなくなった。

一方、アベノマスクで国と契約した受注業者は利益が予めほぼ決められているので、急いで大量に生産したり、より良いマスクを作って好評を得ようとする動機が高まらない。結果的に、国の委託で生産・供給されたアベノマスクは「遅きに失した」「今更もらっても仕方ない」などの不評を買うばかりとなった。

つまり、マスク需給の逼迫解決に向けて「何かせねば」とばかりに国が行った「アベノマスク配布」は、完全に税金の無駄遣い終わった。むしろ何もせずに、市場の動きに任せておく方がずっとよかったわけである。

この記事はダメ押し的に、次のように結ばれている。

アベノマスクの受注業者は、もし契約がなければ、利益を求めてよりスピーディに、よりたくさん生産したことでしょう。契約があったため、受注企業は決められた数をのんびり生産しました。アベノマスクは、マスクの供給量を早期に増やすためには逆効果だったのです。

 

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

国と契約してしまえば、あとはのんびりってことですか(^^♪

こんなジョークご存じ?

「ローマは1日にしてならず、って言うだろ」
「ああ」
「なんでか知ってるか」
「大都市だから?」

「「「公共事業だからさ」」」

ちゃんちゃん

投稿: らむね | 2020年8月26日 17:34

らむね さん:

わはは (^o^)

なるほど、言えてますね。

投稿: tak | 2020年8月26日 19:17

住民基本台帳ネットワークってのも、マイナンバー制度ってのも、創設することによる国民への利便性が、まったく感じられません。

今回の騒動で、特定の業者に税金を投じる構図が浮かんできたってことについては、功罪?なんですかねぇ。

投稿: 乙痴庵 | 2020年9月 4日 09:42

乙痴庵 さん:

本当に、「マイナンバー」ってのはさっぱりわからなくても、何の不便も感じませんね。

おそらく、死ぬまで関わり合いを持たなくて済みそうです。

作るために使った費用が、一部の人にとっての利益になったってことでしょう。

投稿: tak | 2020年9月 4日 11:38

乙痴庵 さん:

本当に、「マイナンバー」ってのはさっぱりわからなくても、何の不便も感じませんね。

おそらく、死ぬまで関わり合いを持たなくて済みそうです。

作るために使った費用が、一部の人にとっての利益になったってことでしょう。

投稿: tak | 2020年9月 4日 11:38

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