クマの人里出没が増加している
昨日付の読売新聞に "山形・米沢市長の散歩コースにクマ 「危なかった」 9件の目撃情報、小学校庭には足跡・ふんも" という、クマの足跡を指さす市長の写真入り記事がある。「さすが山形県!」(米沢盆地も庄内平野も山形県:念のため)と思われるかもしれないが、これは山形県に限った話ではない。
福島県喜多方市で「食工房」を運営する友人、青木幹雄さんも、近くにクマの出没が増えているというので監視カメラを設置したところ、その夜のうちに「超デカメタボ熊」の後ろ姿が捉えられていた(参照)。結構人家近くを徘徊しているらしい。
私は若い頃にかなり各地の山登りをしたが、幸か不幸かクマに遭遇したことは一度もない。ただ最近は、日本各地でクマの目撃情報が多いようだ。基本的にそれなりの山塊さえあればクマはいるもので、条件によっては人里に降りてくる。
兵庫県内でのクマの出没増加を伝える、昨日付の朝日新聞(参照)によれば、その原因は「ドングリの大凶作」なのだそうだ。
県森林動物研究センターは9月上旬、県内254地点にあるブナ、コナラ、ミズナラのドングリ3種の生育状況を調べ、6段階のうち下から2番目の「凶作」と判断した。特にブナは「大凶作」とした。
最近、各地の地元紙も「クマが人里に降りて来ている」と伝えているが、一様に「ドングリの不作」を原因とみている。福井新聞も「昨年に引き続きブナやミズナラの実が不良となっており、餌を求めて集落に出没しやすい状況になってる」として、次のように伝えている(参照)。
ブナとコナラは、914件の大量出没を確認した昨年度よりも実の付き具合が悪かった。ドングリ類は隔年で豊凶を繰り返すとされてきたが、近年は傾向が崩れてきている。
今年 4~8月の出没件数は 379件で、2004年度の統計開始以降で最多となった。「人に近い場所に定着した『里クマ』が増えた」(県自然環境課)ことが影響しており、大量出没が近年起きやすい原因にもなっているという。7月に越前市、8月には小浜市で人身被害が発生した。
近年の気候変動などの影響か、山と人里が接する境目ではこれまでのバランスが崩れてしまっているのかもしれない。よくよく注意しなければならないだろう。
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