『安倍晋三 沈黙の仮面』を買うのは止めた
下の画像は、Amazon にある『安倍晋三 沈黙の仮面』という本の紹介ページの一部である。「その血脈と生い立ちの秘密」というサブタイトル付きだ。
この本は著者の野上忠興氏が安倍首相の生い立ちを徹底取材して書き上げたもので、とくに乳母兼教育係を務めた久保ウメさんという女性の証言が特筆とされる。
安倍首相批判を展開している私としては、彼に関してしっかり知るために、一応はこの本を読んでおくべきなのではないかという気がして、先日ちょっと調べてみた。発売元の小学館のサイト(参照)には、この本の内容を紹介したページがあるので、ちょっと引用してみよう。
甘えん坊で頑固、自分の思い通りにならないと癇癪を起こした晋三少年は、ウメを手こずらせた。いたずらなら、まだいい。問題は学校の宿題をやらないことだったという。
「『宿題みんな済んだね?』と聞くと、晋ちゃんは『うん、済んだ』と言う。寝たあとに確かめると、ノートは真っ白。(中略)
私がかわりに左手で書いて、疲れるとママに代わった」(ウメ)
とまあ、こんなような少年だったらしい。宿題なんて私もあまり真面目にはやらなかったが、乳母に代わってやってもらうなんて、かえって不愉快なんじゃないかなあ。まあ、私には乳母なんていなかったけどね。
成蹊大学に進学すると、「アルファロメオで通学し、友人と雀荘に通い詰め、学習院大のアーチェリー部との合コンに青春を燃やした」というのだから、よく言えば「いいご身分」、率直に言わせてもらえば「どら息子」である。
その頃、ワセダに通いつつアルバイト三昧していた私の耳にも、「慶応、成城、成蹊の学生なんてクルマで通学してるやつが多くて、『妖怪・岸信介』の孫なんて、派手な外車でブイブイ言わしてるらしい」なんて噂が届いていたよ。これって、本当だったんだね。
成蹊大学卒業後は南カリフォルニア大学(USC)に留学するが、結果は次のようなものだ。
1年足らずで挫折し、政治学科の単位はゼロ。ホームシックから連日、日本の自宅にコレクトコールをかけ、1か月の電話代が10万円を超えることが続いたため、父・晋太郎氏が「それなら帰国させろ」と激怒したこともあった。
せっかく米国西海岸まで行って、一体何をしてたんだろう? 私が若い頃にカリフォルニアに留学なんてさせてもらったら、やることがありすぎて、自宅に長々とコレクトコールするヒマなんて到底なかったと思うがなあ。
祖父の岸信介に猫かわいがりされ、できすぎの乳母に世話されたために、お世話係か、ツルんでくれる「お友達」が近くにいないと、どうにもならない人間になってしまったんだろう。この紹介文を読んだだけで、これまで思っていた以上に「お粗末なオッサン」との印象が強まる。
成蹊大学時代の教授である加藤節氏が「安倍さんは 65歳という年齢の割には、とてもチャイルディシュ(子どもっぽい)だという印象です」(参照)と語るのもむべなるかなである。
そして私としては、1,540円(中古でも 921円)も払ってこんなに次元の低いオッサンの話を読むのは馬鹿馬鹿しくなってしまった。同じ金を払うなら、もっとまともな話の本を読みたいものではないか。
というわけで、Amazon に『安倍晋三、沈黙の仮面』を注文するのは止めとくことにした。著者の野上忠興さん、ごめんね。以上、おしまい。
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コメント
誰のこととは言いませんが(←予防線かよw)tak先生が引用した部分を読むだけでムカムカと腹が立ってきましたw ボンボンでウソつきでかんしゃく持ちで…ああ、これ以上書くのも腹立たしいw 権力もカネも徒党を組む仲間もない孤立無援人間の単なる妬みでしょうか(笑)
最近はかの人の顔写真をメディアで見ると、すぐさま閉じてしまいます。しかし、そのようなことをするのはますます、かの人のやりたい放題を助長することになってしまうのでしょうかね。ああ腹立たしい。
投稿: 辺境の偏屈伯爵 | 2020年9月13日 15:23
辺境の偏屈伯爵 さん:
「かの人」が最長政権を維持できているってのを見ても、日本の政治を動かすのは指導者の能力ではなく、金と、ツルんでくれる「お友達」と、そして「わけのわからない雰囲気」の力なんだと、つくづく思ってしまいます。
投稿: tak | 2020年9月13日 16:45
いや~、それでも「批判する相手のことも知ろう」と試みられるtakさんは流石です。私なぞは、値段もさることながら、アノカタについて読むのに数時間を費やすのが我慢ならないと思います。
「それだけの時間があったら何局将棋を指せると思ってるんだ!(超暴論)」という気分です(笑)
投稿: らむね | 2020年9月13日 19:13
らむね さん:
「批判するからには、きちんと知ってから」なんて思っていたのですが、一昨年の杉田水脈議員の 「LGBT には『生産性』がない」という発言について、きちんと掲載誌を買って読んでみたところ、あまりの馬鹿馬鹿しさに懲りたことがありまして ^^;)
https://tak-shonai.cocolog-nifty.com/crack/2018/07/post-fae6.html
投稿: tak | 2020年9月13日 19:29
「デンデン」の理由が分かった。必須科目の授業に一切顔を出さなくても卒業できることを知った晋ちゃんはその後数々の荒業を駆使することになった。
必須科目の単位を取得しなければ卒業させてあげないよと実際に教えてあげてればもう少しまともな政治家になっていたかも知れない。
不正を働き味を占めると碌な人間にならない。
投稿: ハマッコー | 2020年9月13日 22:05
ハマッコー さん:
「デンデン」には恐れ入りましたね ^^;)
確かに、まともな勉強しなくても大学まで卒業できちゃった人みたいです。
ただ、USC はちっともソンタクしてくれなかったようで ^^;)
投稿: tak | 2020年9月13日 22:56
こうなると、「云々」も読めない人が成蹊大学に入学した際にも、何らかのソンタクがあったんじゃないかと思ったりしてしまいますね ^^;)
投稿: tak | 2020年9月14日 07:34
しかしこのオビのコピーは、ステレオタイプでしかも美化しすぎではないですかねw といってももっとリアルな、現実に即したものだったら、色々と面倒な事が起こりそうですが…()
投稿: 辺境の偏屈伯爵 | 2020年9月14日 13:40
こうなると、「云々」も読めない人が成蹊大学に入学した際にも、何らかのソンタクがあったんじゃないかと思ったりしてしまいますね ^^;)
投稿: tak | 2020年9月14日 14:30
辺境の偏屈伯爵 さん:
まあ、ちょっとキツめで、しかもあまり問題にならない程度のコピーにしたんでしょうかね。
投稿: tak | 2020年9月14日 14:33