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2020年9月18日

「残念な自転車レーン」というハッシュタグ

Twitter に 「#残念な自転車レーン」というのがある。"北澤肯@alternabikes" さんという方が最近立ち上げられたもののようだが、既にずいぶん多くの賛同 tweet がある。不詳私も一応自転車乗りなので他人事(「たにんごと」じゃなく「ひとごと」と読んでね)ではなく、及ばずながらここに紹介しておく。

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このハッシュタグの趣旨を北澤肯さんの tweet から引用すると、次のようなことだ。

コロナの流行もあり世界的に自転車の利用が増え自転車レーンのニーズが高まっていますが、まだまだ日本では整備が遅れています。お近くに使いにくい自転車レーンがあったら #残念な自転車レーン を付けて写真をツイートして下さい!日本の自転車レーンを応援、改善に繋げる活動に使います。

私は普段はつくばの田舎で自転車に乗っているので、東京や大阪といった都会の大通りほどの危険を感じることはあまりないものの、それでも時々は危険なクルマに遭遇してヒヤリとすることがある。そうした意味でも「自転車レーン」の整備は大いに望まれる。

自転車レーンというのは、上の写真の道路の左端にみられる「矢羽根」印や、青で塗装された細いレーンのこと。東京オリンピック開催が決定した頃から徐々に増えているような気がするのだが、自転車レーンというぐらいだから、自転車専用の走行レーンである。ところが実際にはこのレーン上の路上駐車が多いのだ。

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上の写真を見ると、自転車レーンを行く自転車の前方が数台のクルマの路上駐車によって塞がれている。そのため、しかたなく自動車レーンにはみ出して走行する自転車が見える。

これだと、右側を走行するクルマの直前にいきなりはみ出してくることになるから危険だ。それでなくても路駐は自転車にとって迷惑千万な存在なのだが、これが自転車レーンでの路駐となると、さらにムカついてしまう。

「自転車レーンがあると左端に駐車できないなら、どこに駐車したらいいんだ?」なんて言うドライバーもいるが、「そもそも、路駐は違反なんだよ!」と言うほかない。個人的には、ほんの数十秒の停車(「駐車」じゃない)なら大目に見てもいいが、エンジン止めてクルマを離れたりするのは言語道断だ。

それから「自転車レーン」とは名ばかりで、そもそも物理的にヒドすぎるのもある。こんなのだ。「無理っす」というコメントそのままである。

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このレーンを自転車で走るのは、ほとんど「曲芸」だ。それにロードバイクはタイヤ幅が狭いから、下水溝のスリットに挟まって転倒し、怪我をするという事故が少なくない。こんな自転車レーンは、ほとんど「事故誘発レーン」であり、自治体の管理責任の問われるところだろう。

もちろん、自転車事故には自転車に乗っている側がお粗末すぎて起きるものもある。その意味では「#残念な自転車ライダー」というハッシュタグも必要なんじゃないかというほどだが、とにかくドライバー、自転車ライダー、歩行者、自治体(政府も)のそれぞれが意識を向上させなければならないと思う。

 

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

3番目のは残念どころか違法性すらありますね。

3番目は右側に車道があり、左側に歩道があります。このとき白線(車道外側線という)と歩道の間の部分は「路肩」といい、これは車道を維持するための排水やごみの吹き溜まりのためのゾーンなのです。当然何かが走行することを前提につくられていないので、グレーチングほか危険な障害物があるのが当然です。

私はロード乗り始めのころ、車道から無神経な車に追いやられ路肩走行を余儀なくされ、この3番目のようなグレーチングで2度も(!)派手な転倒をしたことがあります。

1度目は、枠コンクリートの劣化あるいはそもそもの寸法違いにより、枠に対してグレーチングが小さく、グレーチングの端にタイヤがすっぽりと収まる隙間が出来ていて、そこにタイヤがドーン!とはまって私の身体だけ前方に宙を舞い・・・
2度目は、グレーチングの真ん中を走行するようにしていたのですが、そのグレーチングがなんと表裏逆になっていて(わかりますかね?グレーチングの縦棒は板状ですが、横棒は棒状で片面についているので、裏側にすると横棒は上側に無い状態になるんです)、縦棒の隙間にタイヤが落ち込み、これまた身体は宙を舞い・・・

以来絶対に車道を走るのですが、車の運転手には「路肩こそ自転車が走るところ」と思う人も多く、車道走行では嫌がらせもうけます。そういう人が3番目の画像のように色を塗るんでしょうね。
路肩グレーチングで2度も宙を舞った我が身の不運を呪いたい気分です。幸いどちらも重症にはならなかったのですが、服は破け、打撲痛と広範囲の擦り傷を負いました。思い出すだけで恐ろしく、また腹が立ってきて書き殴ってしまいました。長文失礼しました。

投稿: らむね | 2020年9月18日 21:23

らむね さん:

下水溝の蓋を「グレーチング」と呼ぶことを初めて知りました。一つ利口になりました。

それにしても、あれは危ないですよね。私も道路を走るときは絶対に避けるようにしていますが、確かに嫌がらせをするドライバーもいますね。(私もかなり腹立ちます)

投稿: tak | 2020年9月18日 21:51

takしぇんしぇいが挙げた画像みたいなの、「お役所仕事」って言うんでつよね? 「はいはい、やってますよ、これでいいんでしょ。なんか文句ある?」みたいな( ̄ー ̄)
まぁ、「違法だけど、それを言い出したらきりがないし、経済が回らないので、見て見ぬふりをするのが大人ってもんよ」的に、ニッポンは「本音と建前、あるいは規則と実状が乖離し、永遠に交わらない社会」でつから、いまさら驚きましぇんがね。
「#残念な自転車ライダー」というハッシュタグの件、いいと思うんでつが、そういうチャリ(蔑称)に遭遇するのは路上での一期一会なので、とっさに撮影しようとすると自分がリスクを負う可能性もありまつよね。かといって、テキストだけでは悪意を持ってねつ造することもできますから厳しそうでつね。ぼくも目に余る無法チャリは拙Twitterで晒したいと思いまつが、知らず知らず自分が該当する行為をやっているかも知れないのでじゅうぶん注意が要りますね。

ところで、ハッシュタグとハッシュドビーフってどう違うんでつかね?(←何もわかってないw)

投稿: 太陽系調査員くん | 2020年9月18日 23:38

太陽系調査員くん さん:

「自転車レーンを増やせ」と、上からのお達しがあったので、カッコだけでも「増やしてますよ」と言いたかったんでしょうね。で、「はい、それでおしまい」と。

「残念な自転車ライダー」というのも、かなり多いです。

クルマで細い道から大通りに出て左折する場合、ドライバーは「右見て、左見て、もう一度右見て」左折というプロセスですが、その瞬間に左から右側通行の自転車が飛び出してきたりすると、「お前、死にたいんか!」と思ってしまいます。

「自転車の右側通行は逆走」ということをわかってないライダーが多い(ママチャリの場合は ⒏割ぐらいわかってない)ので、本当にヤバいです。

ちなみに、「ハッシュタグ」は 1語(hashtag)ですが、「ハッシュドビーフ」は 2語(hashed beef)であります。(それがどうした ^^;)

さらにまた、「ハヤシライス」を辞書で引くと "hash and rice" とか "rice with hashed meat" とか出てきますが、実際の場面ではそんな英語は聞いたことがありません。

日本にしかないみたいなものなので、”hayashi raisu" が正解みたいです (^o^)

投稿: tak | 2020年9月19日 07:58

数年前、「車道逆走チャリに怒る!」的な感じで盛り上がった(←お前がな)場面がありましたが、そもそも、チャリンコ(蔑称)族は「徒歩の延長」的に自転車を使用しており、どこをどう走ってもいいと思ってますから、自転車レーンを作っても意味がないと言ったら言い過ぎでしょうか。
逆に、遵法精神旺盛な、まっとうな自転車利用者のほうが困惑する場面が多いという逆転現象があります。
この辺を克服しないと、この国の自転車行政は進まないと思うのですが、まぁ進めたところでさしたる利権を生まないので、期待薄ですね、赤羽ちゃんww
それはそうと、アホなボケに理路整然と対応してくださったtak先生には感謝しかありません。なるほど、「ハッシュタグ」のハッシュと「ハッシュドビーフ」のハッシュは似て非なるものなのでしゅね。勉強に成増( ̄ー ̄)

投稿: 太陽系調査員くん(平社員) | 2020年9月19日 22:43

投稿: 太陽系調査員くん(平社員) さん:

>数年前、「車道逆走チャリに怒る!」的な感じで盛り上がった(←お前がな)場面がありましたが、

2017年 5月中旬頃のお話ですね。

発端はこれ ↓

https://tak-shonai.cocolog-nifty.com/crack/2017/05/post-c07a.html

この問題は、永遠に解決しないと諦めてます。

まともな情報を受け取らない人は、金輪際受け取りません。そして、自分がまともな情報を受け取らないということにすら無意識です。

ということは、自分が違法行為をしているということすら気付いていないので、改善しようがありません。

投稿: tak | 2020年9月20日 07:15

乙痴庵さんのコメントが懐かしいですね( ̄▽ ̄) まぁそもそもニッポンでは多数派の市民に、もしかしたら為政者にも「自転車も車両である」という認識が欠けているのが「残念な自転車レーン」の場合も根本的な原因かもしれません。
こうなると一朝一夕には変わりませんから、私にできることは「自分の安全は自分で確保する」心づもりで日々、気をつけることぐらいしかないですね。ということで

今日の交通標語:「じてんしゃは くるまのなかま おぼえたかい」 おそまつ。

投稿: 太陽系調査員くん | 2020年9月20日 11:37

太陽系調査員くん さん:

>こうなると一朝一夕には変わりませんから、私にできることは「自分の安全は自分で確保する」心づもりで日々、気をつけることぐらいしかないですね。

小さな一步でも、大きな一步ですからね!

>今日の交通標語:「じてんしゃは くるまのなかま おぼえたかい」 おそまつ。

これ、本当に大事ですね。

投稿: tak | 2020年9月20日 21:10

延々と引っ張って申し訳ないのですがw、らむねさんご指摘の3枚目の写真、これより非道い(まさに非道)自転車レーンもそうめったにないでしょうね。いっそ「自転車利用者が決める!ひどい自転車レーン投票」をやって、「ひどいね!」がわりに「いいね!」をしてもらい、栄えある1位に輝いた自治体には表彰状を送るというのはどうでしょう(←イヤミ)。え?ぼくが主催するの?

投稿: 太陽系調査員くん | 2020年9月21日 17:54

太陽系調査員くん さん:

3枚目の写真は本当に非道すぎですね。

まず、幅が狭すぎ。

そして、グレーチングの溝がせめて 90度横に向いていてくれれば、はまることもないのでしょうが、「はまれ!」と言わんばかりの悪意。

投稿: tak | 2020年9月21日 18:56

http://www.city.nagoya.jp/ryokuseidoboku/page/0000038362.html

名古屋市は、「歩道/自転車通行帯/車道」の住み分けが進んでます。
と言っても、大きな通りの一部ですけどね。
道路の両側にあるそれぞれの自転車通行帯で、自転車の対面通行しちゃうぐらい!

道幅広いからできることです。1本裏手に入れば、右側通行ケッタジジィが走ってますし…。

太陽系調査員くんさん、たいへん恐縮にございます。

投稿: 乙痴庵 | 2020年9月24日 21:04

乙痴庵 さん:

リンク先のページを見て、「名古屋、天国じゃん!」と思ってしまいました。

自転車通行帯で自転車の対面通行なんて、異次元の世界です。

> 1本裏手に入れば、右側通行ケッタジジィが走ってますし…。

これはもう、人間の「業」というものか ^^;)

投稿: tak | 2020年9月25日 05:37

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