日本人はリモートワーク(テレワーク)が苦手
オーストラリアのシドニーに本拠を置くソフトウェア開発企業のアトラシアン(Atlasian)が調査会社 Paper Giant(本社:シドニー)に依頼して行った COVID-19 関連での労働環境変化に関する調査によると、主要 5カ国の中では日本人が最もリモートワーク(テレワーク)が苦手のようだ(参照)。
今回の調査はオーストラリア、米国、日本、ドイツ、フランスの 5カ国を対象に行われ、 "Reworking Work/Understanding The Rise of Work Anywhere" ("仕事の改訂/「どこでも仕事」の増加" とでも訳しておこうか)というレポートにまとめられた。結果として浮かび上がったのは以下の 3点。
- 苛酷な環境にありながら、多くの米国人はリモートワークをエンジョイしている。
- 仕事と生活のバランスが改善され、仕事の満足度が高まったとの指摘が多い。
- 米国人は他の調査国よりもオフィスに戻ることへの抵抗が強い。
調査対象 5カ国のうち、米国が最もリモートワークを楽しんでおり、ドイツ、フランスもその傾向が強いという。
一方、日本とオーストラリアはリモートワークに向いていないようで、とくに日本では 15%しか在宅勤務を支持していない。オーストラリアでも「77%がオフィスの同僚と一緒に働いていた頃より働く意欲がなくなった」と回答したとされている。
こうした違いの出る要素としては、① 家族のあり方の違い、② 仕事上の役割の違い、③ ネットワーク品質の違い の 3点が指摘されている。
日本は 2世代 3世代同居も少なくなく、オフィシャルとプライベートの区別もしっかりしていない部分がある。そして仕事そのものがチームワークによって運営される傾向が強いので、家に引っ込んでしまうとやりにくくなるのだろう。
日本のアドバンテージは ③のネットワーク品質ぐらいかもしれない。ちなみにオーストラリアは「インターネット回線が遅い」という定評があるようだ。
とはいえ最大の要因は、日本人の「自分の責任分野に関しては自分で決める」という当然のことに抵抗を感じるメンタリティだろう。長らく「隣が田植えを始めたら、自分も始める」という意識できたので、いつでも「それは皆で決めたことだし・・・」という「逃げ」を用意しておきたいわけだ。
この際だからもっとはっきり言ってしまうと、日本では「会社に顔を出しさえすれば、仕事してるみたいなアリバイが作れる」ってことで、一人だと何をしていいのかわからなくなるのかもしれない。
【参考】
スラドの記事では「サンフランシスコに拠点のあるソフトウェア開発企業アトラシアン」となっているが、本社はオーストラリアのシドニー(参照 1、参照 2)にあり、今回の調査を実施したのが、サンフランシスコの拠点ということのようだ。
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