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2020年10月24日

飲酒のメリットとデメリット

3年前に「お酒は卒業しちゃったようだ」と書いたように、私はすっかり「酒を飲まない人」になってしまって、近頃では飲み会に誘われるのさえ苦痛に感じる。飲むのは半年に 1度ぐらいで十分である。

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東洋経済 ONLINE に ”「お酒で現実逃避する人」が見逃す不都合な真実” という記事がある。"飲めば飲むほど「嫌な記憶」が強化されてしまう" というサブタイトル付きだから、ちょっと見逃せない。

東京大学大学院の松木則夫・野村洋両氏の研究では、「やけ酒をするとイヤな記憶や気持ちがかえって強くなる」と判明している。ネズミに電気ショックを与えた後にアルコールを注射すると、電気ショックの恐怖を忘れるどころか恐怖がさらに強まり、臆病になってしまったというのである。

アメリカ国立衛生研究所のホームズらの研究結果によると、「アルコールを常習するとイヤな記憶を消す能力が下がる」というのだから、「酒を飲んで憂さを忘れる」なんて幻想で、実は逆効果のようなのだ。

飲めば飲むほど嫌な記憶が心に深く刻み込まれるという作用を知らないと、その記憶から逃れようとして、ますます酒に逃げ込もうなんてするようになるのだろうね。これはもう、悪循環としか言いようがない。

ただ、酒は適量さえ守ればクリエイティビティが増すというメリットもあるらしい。ニュースはイリノイ大学のジャロスツらが行った実験について、次のように伝えている。

21歳から30歳の男性40人をアルコールを摂取した20人のグループと、摂取していない20人のグループに分け、パソコンの画面に映し出された言葉の問題について、各問1分間の制限時間内で答えを入力するという課題をやってもらいました。結果、正答数については両者に違いはなかったものの、アルコールを摂取したグループの方が回答が早く、また洞察に富んだ回答をしていたのです。

ちなみに「適量」は、アルコールの血中濃度が 0.75% ぐらいが最も効果があるようで、缶ビール 1〜2本に相当すると報告されている

いずれにしても「飲み過ぎ」はよくないようで、「憂さを忘れる」ためといった「暗い飲み方」で量が進んでしまうと、心と体にとってさらに悪いということのようだ。

 

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コメント

なるほど、「やけ酒をするとイヤな記憶や気持ちがかえって強くなる」→「憂さを忘れる」ために飲む → やけ酒をするとイヤな記憶や気持ちがかえって強くなる」の悪循環に嵌るんですね。

この知見がもっと広がればいいですね。
「お酒は適量を楽しく飲みましょう」よりも「やけ酒をするとイヤな記憶や気持ちがかえって強くなる」と言ったほうがより効果があると思います。

日本酒造組合中央会なんてのがあるらしいですから、そこが「酒を飲んでも憂さを忘れることはありません」と…言わないか。

投稿: ハマッコー | 2020年10月24日 21:18

ハマッコー さん:

>「お酒は適量を楽しく飲みましょう」よりも「やけ酒をするとイヤな記憶や気持ちがかえって強くなる」と言ったほうがより効果があると思います。

それは言えそうですね。

ただ、「飲んで憂さを晴らす」というテーゼが強すぎるので、新しい知見が心に焼き付けられるまでには、よっぽど繰り返して強調しないといけないでしょうね。

投稿: tak | 2020年10月24日 23:24

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