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2020年10月15日

まともにものを考える人間は、百貨店で服なんて買わない

週刊東洋経済 Plus に「アパレル生存競争 追い込まれる名門」というシリーズ企画があり、その 10月12日付は「オンワードと三陽商会は大量閉店 終わりを迎えた百貨店との蜜月」という記事だ。

201015

アパレル業界には「百貨店アパレル」というカテゴリーがある。その代表格はレナウン、オンワード、三陽商会、ダーバンなどだったが、レナウンは今年 5月に民事再生法を適用し、ダーバン(元々はレナウン系列)は身売りした。オンワード、三陽商会も赤字基調が続く。

「百貨店アパレル」というのは日本独特の業態で、百貨店の店頭在庫はアパレル側が持ち、店頭で商品が売れた時点で百貨店側の売り上げとして計上されるという仕組みだ。百貨店は仕入れリスクを持たない代わりに、アパレル側に売り場を提供するというもので、これを業界では「消化仕入れ」という。

こんな妙な仕組みが日本の高度成長期以来、延々と維持されているわけなのだが、もはやまともには機能していない。

上に掲げたグラフからも窺われるように、全国百貨店の衣料品売り上げは 2003年には 3兆円を越えていたが、昨年は半減して 1兆 6,000億円を切っている。さらに言えば、バブル絶頂期の 1991年には 6兆円に迫る勢いだったのだから、その当時と比べたら ほぼ 4分の 1 の売り上げでしかない。

高度成長期からバブル期にかけて完成された「消化仕入れ」というシステムでは、アパレル側としては百貨店売り場の見栄えをよくするために豊富な品揃えをしなければならないから、売れる見込みのない在庫も持たざるを得ない。そして残った商品は大幅値下げのバーゲンにかけてもまだ売れ残る。

オンワード、三陽商会、ダーバンなどの主力商品は、スーツやコートなどのいわゆる「重衣料」である。バブル絶頂期は、ごくフツーのメンズ・スーツ 1着が 6〜7万円以上した。カジュアルウェアでも、レナウンのポロャツなんて 1枚が 6千円ぐらいで、今のユニクロの商品の 3倍の値段だった。

当時、米国の衣料品小売市場をしっかり調べていた私は「こんなバブルはそのうち弾ける」と確信していて、事実その通りになった。そしてバブルが弾けて 20年も経った今でも、百貨店に並んでいる衣料品はやっぱり高い。だからまともにもの考える人間は、百貨店で服なんて買わないのである。

そして今や、ユニクロの天下だ。

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コメント

丸高でポロシャツを買いましたが、生地がへなへなで染色も劣悪で洗濯水が青くなりました。二十年前に購入したのが高品質だったのでそのつもりで買いましたが、品質で裏切られましたね。ユニクロの四倍もしたのに残念。

時々新製品の案内メールが来ますが、価格をみて目を疑いましたよ。一着45万円と確かに書いてありました。自分たちのブランド力を過信してますね。まともな人はそんなの買わないですよ。

シーズンに売れなかったブランド物は半数に達し、タグを切り取ってタダ同然で次の業者に売られているそうですね。正価で買った人はその分まで負担してるんですね。

アパレル業界と同様に百貨店業界も冬の時代ですね。
昨日の日経の記事によると、三越伊勢丹の社長が“もう百貨店である必要はない”なんてとぼけたことを言ってました。
そんなことは1970年代から言われていたことです。
ライオンの上で胡坐をかいていればよかった時代は数十年前に終わってますね。

投稿: ハマッコー | 2020年10月16日 00:08

ハマッコー さん:

本物の高級品を売る百貨店は、個人的には、東京に 2つ(山手線の東西)、札幌、仙台、新潟、横浜、名古屋、京都、大阪、広島、博多に 1つずつ、つまり、日本全国で 11店舗もあれば済むと思っています。

今は、日本百貨店協会の加盟店舗数が全国で 181店舗だそうですから、とてつもなく過剰です。

この過剰市場で、大したことのない商品に高い値段を付けて売るのですから、自殺行為に走ってますね。

とりあえず、この店舗数を 半分の 90店舗ぐらいにして(それでも各都道府県に平均 2店舗残る)、あとは全国各地のショッピングセンターに任せれば、日本の市場は十分にまかなえると思います。

投稿: tak | 2020年10月16日 08:15

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