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2020年10月20日

日米の「政治風土」の違い

Gigazine に "政治のニュースを見すぎることは「幸福に悪影響を与える」という指摘" という記事がある。もっともこれは米国のお話で、”The Atlantic" という雑誌記事の翻訳のようだ。

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日本語の見出しを見た時、私は「そうだよね、国会中継や記者会見を見ても、政府の首脳(安部さんとか管さんとか)は、質問に対して絶対にまともに答えないようにしてるもんね。見てるだけでムカムカしてしまうわ!」と、共感してしまったのである。ところが、元記事の内容はちょっと違うようなのだ。

元記事のタイトルは下の画像のように、 "Reading Too Much Political News Is Bad for Your Well-Being" というものである。直訳すれば、「政治のニュースを読みすぎるのは健康に悪い」ってことで、「見すぎることは・・・」というのとはちょっと違う。

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Gigazine の記事のトップの写真は、テレビのニュースを見すぎた若いネーチャンがソファで塞ぎ込んでいるというような風情で、”The Atlantic" の、新聞を読みふけるオッサンがストレスに晒されているというイラストとは、イメージが全然違う。これはそのまま、日米の政治感覚の違いだろう。

元記事の言っているのは、(米国では)政治に関心の強い人ほど自分の政治的な立場や考えにこだわるため、特定の情報に偏重してしまいがちだというのである。その結果、周囲との人間関係に軋轢が生じたり、世界の広範囲の情報に関して知識が欠けてしまったりする。

つまり、日本人は政治のニュースに接し過ぎると大抵「がっかり」し、つい遠ざかってしまいがちだが、米国人は逆にますます「のめり込んでしまう」というのである。対極的な反応で、日米の「政治風土の違い」としか言いようがない。

日本ではうかつに政治的情報に触れると失望感につながってしまうので、選挙での投票率が上がらない。それで政治家は「お友達」だけを相手にするようになってしまい、そのせいで一般的な「がっかり感」はさらに増幅される。

そうした意味では、米国人が政治のニュースに接しても「がっかり」せず、ますますアグレッシブになりがちというのは、ある意味うらやましいような気さえしてしまう。

 

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