« 「牛賀状」というものには驚いた | トップページ | パジャマを着ることを巡る冒険 »

2021年1月 7日

酒田の地吹雪の凄さ

私の生まれた山形県酒田市は一応「雪国」ということになってはいるが、決して「しんしんと降り積もる」のではない。何しろ、雪は「上から降る」のではなく、「横から下から吹き付ける」のである。

210107

単なる「吹雪」ではなく「地吹雪」という言い方になるのは、体験してみればすぐに納得できる。天気としては決して大雪が降っているというわけでもないのに、地表付近だけが猛吹雪なのである。一度降った地面の雪が台風並みの暴風で舞い上がり、飛ばされるのだ。

上の写真からリンクされるのは、Mamoru Kimura さんという方の「庄内特有の地吹雪を体験ドラブ」という YouTube 動画である。道路の積雪はそれほどではないものの、昼間でも先が見えないほどの地吹雪が吹き荒れる。雪にしてみれば、呑気に積もってる暇なんてないのだ。

私は高校を卒業するまで酒田で暮らしたが、地吹雪でまったく視界の効かない朝などは、手探りで登校したこともある。学校に着くと、体の片側(風上側)は雪で真っ白だが、反対側はカラカラに乾いている。冒頭で書いたように、雪が上からではなく、横から下から吹き付けるためだ。

天気予報によれば、本日の山形県庄内地方は午後から暴風雪ということになっている。酒田での「暴風雪」というのは、要するに猛烈な「地吹雪」のことに他ならない。

「地吹雪」で思い出すのは、かなり前の話になるが結婚前の正月頃に、妻を初めて酒田に連れて行った時のことだ。

「特急いなほ」を降りる前から「今の季節の酒田で道を歩く時は、姿勢を低くして足をしっかり踏みしめるんだよ」と注意していたのだが、妻はそんなことを言われてもあまり実感がわかなかったらしい。しかし着いてすぐに、その認識の甘さを思い知ることになる。

雪の酒田に到着。列車から降りて歩き始め、駅舎から離れて猛烈な向かい風を受けた瞬間、「ア〜レ〜!」という悲鳴に振り返ると、アイスバーンの上を妻が風に流されているではないか。こうした場合には何と表現すればいいか迷うが、「流されている」以外の言葉を思いつかない。

「早くしゃがんで!」と声をかけ、手を引っ張って助けたのだが、あの光景は今でも目に焼き付いている。地吹雪の路上を人間が棒立ちのままスルスルと水平移動している姿というのは、あまりにも非日常的すぎる。

というわけで妻は今でも、「真冬の酒田は恐ろしいところだわ」としみじみ言うのである。

 

|

« 「牛賀状」というものには驚いた | トップページ | パジャマを着ることを巡る冒険 »

庄内の話題」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 「牛賀状」というものには驚いた | トップページ | パジャマを着ることを巡る冒険 »