« 飛騨行きと「セレンディピティ (偶然幸福発見能力)」 | トップページ | 「雰囲気のもの」を巡る冒険 »

2021年1月22日

「おじいさんの本買います」という広告

Twitter で白江幸司さんという方が「おじいさん予備軍に衝撃が走る広告」として、吉祥寺の古書店のチラシを紹介しておいでだ。「おじいさんの本 買います」というもので、想定されるジャンルがズラリと書き連ねてある。

2101221

なるほど、まさに「おじいさん予備軍」には衝撃のジャンルだ。こんな具合である。

人文書:哲学、現代思想、構造主義、分析哲学、印哲、東洋思想、日本思想、神道、修験道、陰陽道、キリスト教、神秘学、占い、漢方ヒーリング、超心理学、反体制、右翼、左翼、差別、公害、フェミニズム、犯罪、日本史、世界史、地理、民俗、郷土、江戸東京。

科学書:数学、物理、生物、建築、自然科学史、社会学、人類学、認知科学、生と性と死、病と身体、精神医学、カウンセリング、精神分析、ユング。

芸術書:画集、写真集、美術展図録、ファッション、茶道、書道。

サブカルチャー:戦前の児童雑誌、古今東西の絵本、料理や雑貨のムック、古いまんが、60 70年代文化、対抗文化、映画、演劇、音楽、クラシック・落語・朗読などの CD、学術・文芸の文庫、超自然など不思議なもの、映画のパンフレットなどのコレクションアイテム

う〜む、こりゃ身に覚えがありすぎだ。

ふゆひー 9 さんが "ジャンルが羅列されるなかで、目を惹く「ユング」(笑)" とコメントをつけておられる。個人名で挙げられているのは、確かにユング 1人だ。

これには思わず反応してしまい、 "ウチは「ライヒ」まであります" なんてサブコメントしてしまった(参照)。上の画像左側真ん中の 『性と文化の革命』(中尾ハジメ・訳)がそれで、今はさすがに絶版のようだが。

その右上の『構造と力』(浅田彰・著)は哲学書としては異例のベストセラーだから、本棚に眠らせている人が日本中にいる。左下は米国のカウンター・カルチャーを代表するジェリー・ルービンの "Do It!" だが、これはさすがに同世代の人間の本棚でもあまり見受けない。

「そういえば、ジェリー・ルービンって、死んじゃったはずだなあ」と思って改めてググってみると、「1994年、ロサンゼルスにて交通事故のため死去」とある(参照)。

そうそう、このニュースを聞いた時はかなり驚いたんだった。そのくせ、その18年後に、思い出したように こんな記事 を書いた時には、彼の死を忘れていたようなのだが。

いやはや、まことにもってこの世は諸行無常である。

Namu

 

|

« 飛騨行きと「セレンディピティ (偶然幸福発見能力)」 | トップページ | 「雰囲気のもの」を巡る冒険 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 飛騨行きと「セレンディピティ (偶然幸福発見能力)」 | トップページ | 「雰囲気のもの」を巡る冒険 »