写真の「水平をとる」ということ
私は自分のもう一つのブログ「和歌ログ」で毎日歌に写真を添えているので、素人としてはずいぶん自前の写真を世の中にさらけ出している方だと思う。ほとんどは iPhone のカメラで撮っているだけだが、16年以上も続けていると年季のお陰か、ほんの少しぐらいは上達しているような気がしている。
ありがたいことに私は仕事柄、プロのカメラマンとの付き合いが多い。彼らは「アマチュア写真では『水平をとること』さえ気をつければ、多少は『見られる写真』になりますよ」とアドバイスしてくれる。どのカメラマンもそう言うのだから、これはきっと「鉄則」みたいなことなんだろう。
「フツーの人のブログや SNS に載ってる写真は、たいてい水平のとり方が甘くて残念なものが多いんです」と彼らは言う。それはアマチュアの私からみても確かにその通りだと思う。
それだけに自分の撮る写真はかなり気をつけているつもりだが、これが結構むずかしいのだよね。上の写真は昨年「和歌ログ」に使ったものの中から選んだ 4枚だが、辛うじて何とかなってると思う。右上なんて、雲の角度が右上がりなので錯覚しがちで大変だったが。
見たところ、「水平のとれていない素人写真」には 2通りあると思う。1つは「水平なんて全然意識してない」もの。2つめは「この方がおしゃれかも」なんて下手に意識して、わざと斜めの構図にしたものだ。どちらもほとんど「無残なできばえ」に終わる。
「水平」を意識しなかったために不器用かつビミョー(あるいはビミョー以上)に斜めっちゃってるのは、誰がみても一目で「お下手な素人写真」とわかる。とくに海の写真はほとんど水平線が斜めになっていて、興醒めにも程がある。こればかりは「基本のキ」からやり直さなければ、お話にならない。
この手の写真には「縦位置」のものがやたら多い。これはスマホをそのまま片手で構えて撮るからそうなるだが、本来なら「横位置」の方が望ましい広がりのある構図でも、無残に縦に切り取られてしまっている。つまり「何も考えないで撮ってる」のがバレバレだ。
3〜4人で行った旅行先での集合写真が「縦位置」の斜め写真でまともな背景さえなかったりすると、それはもう「ガッカリ写真」以外の何ものでもない。カメラを「横位置」に構えて慎重に水平をとりさえすれば、多少は喜んでもらえるのだから、気をつけるに越したことがない。
さらに「意識的な斜め構図」というのは、実はかなり難しいもので、よほど特殊な必然性でもない限り避ける方がいいといわれる。つまりアマチュアはひたすら素直に「水平に忠実な構図」を心がけるに越したことがないようなのである。
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コメント
もう一つ、確かジョン・フォードの言と記憶しますが、
"水平線が画面を二分しないように"があります。
御例示の写真右下は、もう少し空の部分が広い方が、構図的には良いと思うのですが如何でしょう。
投稿: McC | 2021年1月 3日 19:15
McC さん:
ご指摘の写真は、手前の川の流れも入れておきたいと欲張ってしまった結果です。
確かに、捨てるべき部分は捨てるべきですね ^^;)
投稿: tak | 2021年1月 3日 19:54