« 大腸がんの疑いが晴れて、無罪放免 | トップページ | 年賀状の差出人名は表と表のどちらに書くか »

2021年1月10日

「最初にきちんと結論を示す」ことの大切さ

東洋経済 ONLINE に「仕事のできない人はメールの文面がイケてない」という記事があり、是正するための第一歩は「ワンセンテンス・ワンメッセージ」を心がけることとされている。「1つの文では 1つのことを言う」というのは、グダグダと余計な要件を詰め込みすぎないってことだ。

210110

「そうそう、その通り!」と頷く一方で、「でもこれ、何十年も前から言われてることだよね」とも思ってしまう。この世界、案外進歩がない。「伝えることの下手な人」というのはいつの時代でも同じようにわけのわからないメールを寄こす。

私自身が受け取るメールでも、「一体、何が言いたいんだよ!」と言いたくなるのは、1つの文の中にいろいろな要素を散りばめて、結局自分でも混乱してしまっているような代物だ。

例えば「例の件の関連では、あんなような、こんなような、そしてこれこれこうしたようなこともございますので、どうぞよろしくお願いいたします」なんていうようなメールをもらっても、一体何について「よろしく」すればいいのかわからない。アクションの取りようがないのだ。

「どうやらまだ結論が出ていないみたいだから、続報を待つしかないね」と判断してしばらく静観していると、「例の件はどうなりましたでしょうか?」なんて聞いてくる。これでは「どうなったのか聞きたいのは、こっちの方です」と返事するほかない。

よく確認すると、最初のメールの「そしてこれこれこうしたようなこともございますので」という部分が、重要な結論だったなんてわかったりする。だったら余計なことは書かずに、単刀直入に伝えてもらいたかったところである。

その間の経緯をどうしても伝えたかったら、最初に結論をしっかりと書き、その後に「ご参考までに」とか断り書きを付けて添えてくれればいい。ところが初めにいろいろ余計な話をみっちりと書き、同じセンテンスの最後に重要なことをちょこっと付け足すだけだからわからなくなる。

初めに結論をはっきり書くためには、議論の経緯を自分でしっかりと把握、理解していなければならない。「あんなことも、こんなことも」とどうでもいいことばかり書きたがるのは、議論を振り出しに戻す意味しかないので、こんなやり取りが続くうちに、いつの間にか案件自体がうやむやになってしまう。

ちなみに菅総理の国会答弁は、その典型だ。ことをうやむやにしたいがために自分でもはっきり理解する気がないか、あるいはそれとは逆に、自分がはっきり理解していないのでうやむやに答えるしかないかのどちらかである。

申し訳ないが、「十分に理解しているけど、敢えてトボけている」といった感じには見受けられない。

|

« 大腸がんの疑いが晴れて、無罪放免 | トップページ | 年賀状の差出人名は表と表のどちらに書くか »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

昨日でしたか、ニュース番組に出ていた菅総理は、司会者からの covid-19 に付いて様々な質問に答えた後、司会者から「最後に国民に向かってメッセージをどうぞ」と言われたのに、司会者の方を見ながら(カメラに横を向いたまま)ぶつぶつ何かを言っていたのを見て「こりゃだめだ」とつぶやいてしまいました。

この点、小池さんの方がしっかりメッセージを伝えてる。菅さんはリーダーの資質が全くない。メディアを使いこなす術を知らない。(横浜の商店街では”祝 菅総理誕生!“なんて横断幕が貼られてますが、地元の人達は複雑な気分でしょうね)

本題に入りますが、最近気になるのが政治家の記者会見での記者の質問の仕方です。

まず口跡が悪い。大変聞き取りにくく何を言ってるのか判りにくい。
そして、句読点のない喋りをするのでこれも話を判りにくくする。
次に前置きが長すぎる。長々と喋る、最後にやっと質問が出てくる。結局最後の一文だけで質問は済んでしまう。

短く判りやすく質問できる記者はごく少数ですね。
新聞社やテレビ局はこんな人たちを記者会見に派遣してどういうつもりなんだろう。いつも思っていることです。

投稿: ハマッコー | 2021年1月10日 19:26

ハマッコー さん:

総体的に見て政治関連分野の人材というのは、質が低いんじゃないかと思わざるを得ませんね。とくに「議員」とか「大臣」とか。

政治担当記者もやはりレベルが下がっているようです。

ところが「知事」となると、少しはマシな人がいて、記者会見の様子を見ると落差が大きいです ^^;)

投稿: tak | 2021年1月10日 20:23

こうしてみると、小泉純一郎という人はすごかったんだなあと思います。決して支持していたわけでは無いのですが、先日父母と2代目貴乃花の映像を見ていて、「あ、これあれじゃん、小泉さんの「痛みに耐えてよく頑張った」の時じゃん」で3人とも20年も前の記憶がすぐに蘇り、改めてメッセージの力の重要性を思いました。
アメリカだとオバマ前大統領の就任演説なんかは名文として英語のリーディング・リスニング教材に使われるほどですし、日本との差を感じてしまいますね。

投稿: らむね | 2021年1月10日 21:16

らむね さん:

確かに小泉さんはメッセージ力がありましたね。

日本では「不言実行」がいいなんて馬鹿なことが言われていて、演説の重要性が認識されていないので、学校でもこの方面の教育がほとんどなされていません。

それにつけても最近の 2人(安倍、菅)はヒドすぎです。

投稿: tak | 2021年1月10日 22:59

アタクシよりも年齢の上の方々の中には、「口上」なのか「前振り」を置かないと、なかなか本題に入れない方がおられます。

形として「起承転結」をなぞらえているのかどうかはわかりませんが、「恐れながら申し上げます」的な導入をしないと話せない。

聞いている方も、その様式に則って聞いている。(心の準備?)

日本の「会議様式」が、長々延々と繰り広げられる一員であるとは思います。

(前振りするならサゲも出せ!)

投稿: 乙痴庵 | 2021年1月14日 18:11

一員!間違えました!

一因にて、お読み替えください。

恐縮っス。

投稿: 乙痴庵 | 2021年1月14日 18:13

乙痴庵 さん:

>アタクシよりも年齢の上の方々の中には、「口上」なのか「前振り」を置かないと、なかなか本題に入れない方がおられます。

いますね ^^;)

>聞いている方も、その様式に則って聞いている。(心の準備?)

初めの方のどうでもいい話が続いている間は、確かに他のことを考えたりしてますね。

>(前振りするならサゲも出せ!)

それができたら、達人ですけどね ^^;)

投稿: tak | 2021年1月14日 18:44

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 大腸がんの疑いが晴れて、無罪放免 | トップページ | 年賀状の差出人名は表と表のどちらに書くか »