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2021年2月 9日

「本を速く読む」ということ

「東洋経済」2月 5日付に "本を読むのが「遅い人&速い人」の決定的な違い" という記事がある。"誰でも速読が可能になる「たった1つ」の仕草" という気になるサブタイトル付きだ。

210209

この記事で紹介されているのは、『LIMITLESS 超加速学習 人生を変える「学び方」の授業』(Limitless: Upgrade Your Brain, Learn Anything Faster, and Unlock Your Exceptional Life)という本の著者で脳トレーナーでもあるジム・クウィック(Jim Kwik)氏の「科学的に正しい速読のやり方」だ。

ここで触れられている「速く読むことを阻んでいる壁」というのは、次の 3点である。

壁その 1: 返り読み ー 無意識に前の文章に戻っては読み直すことで、「うろうろ読み」とも言う。

壁その 2: 子どもの頃と同じ読み方 ー 読む量が少なく難易度も低かった子どもの頃に教わった読み方から変わっていない。

壁その 3: 頭の中で音読してしまう ー 「サブボーカライゼーション」というらしいが、これをしてしまうと、読書速度を毎分わずか200語に制限するため、読む速度が「考える」速度ではなく「話す」速度に抑えられてしまう。

3番目の「頭の中で音読してしまう」と読むのが滅茶苦茶遅くなるというのは、とてもよくわかる。原文に従って一語一語忠実に翻訳することを「逐語訳」というが、速く読むときは、いわば「逐語読み」をしないのだ。

喩えて言うと、英文を読む時にいちいち頭の中で音読したり、日本語に翻訳しながら読んだりしていては日が暮れてしまうから、英語のままでキーワードのつながり具合に注目しながらざっくり理解して、どんどん読み飛ばすみたいなイメージである。

この記事の他にもいろいろなサイトで「速読術」が語られているが、ほぼ共通しているのは文章を「視覚的に "塊" として見る」ということだ。「丹念に読み込む」なんてことはせずに、目に映るページを「言葉のかたまり」として飲み込み、そのままどんどん先に進んでいく。

そんなわけで、急いでいる時には 1ページ分の内容を 4〜5秒でざっと捉えて読み進むなんてざらである。文芸作品のように、文体と内容を合わせてしっかりと味わう必要のあるものだと話は別になるが、とりあえず内容さえ把握すれば済むという場合は、このやり方で済ませている。

とにかく速く読む場合には「こんな読み飛ばし方だと、本当は内容を理解できてないんじゃないか」などと、自分を疑っちゃいけない。もし後になって「あれ?」なんて思うようなことがあったら、もう一度該当ページを開いて確認すればいいだけと割り切ることだ。まあ、そんなことは滅多にないけど。

どんなにゆっくり読んでも、わからない人はわからないのだから、「速く読める」という事実をありがたいと思う方が大切だ。これは実感である。

若い頃に比べて目が疲れやすくなったので、長時間にわたって細かい字を追い続けるのはちょっと辛くなったが、今でも結構分厚い本を 2〜3時間で読み終えることならできる。逆に「逐語読み」なんてしていたら、目が疲れて 1時間もたない。

 

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