菅首相の「言葉感覚」のなさに驚く
昨日は昼過ぎに自宅のラジオで「東日本大震災 10周年式典」での菅首相式辞と、天皇陛下のお言葉を聞いた。
菅首相の式辞は上の動画でもわかるように、カミまくり、言い違いしまくりで、「この人って、本当に『言葉感覚』のない人なんだなあ」と改めて思ってしまった。日本はこんなにも言葉感覚のない人が行政府の長を務めていられるという、世にも稀な国である。
とにかくこの人の式辞、ラジオで聞いているだけでは何を言っているのかわからないところがいくつかあった。とくに最初から 4分ぐらいのところは、「被災者の生活再建のステージに応じた切れ目のない誠意を行ってまいります」に聞こえて、「はあ? 何の読み間違い?」と思ってしまった。
「誠意」の部分はより正確に表記すれば「しぇーい」と聞こえるのだが、これ、JIJI.COM の「菅首相式辞全文」で確認してみると、「切れ目のない支援を行ってまいります」と言ったつもりのようなのである。いやはや、日本語を聞くのに通訳が要るのでは疲れるなあ。
さらに日本語として明らかに間違いなのは、4分 47秒あたりの「震災による大きな犠牲の下に得られた貴重な教訓を決して風化されてはなりません」の部分である。どうしてここで受け身の文体にならなければならないんだ?
これも確認すると、原稿は当然にも「風化させてはなりません」である。この総理大臣、こんな読み違いをして自分で気持ち悪くなる様子もなく、しゃあしゃあと終わってしまえるのが不思議である。
別に悪意をもって「あら探し」したわけじゃないが、単にフツーに聞いているだけでこちらの方で気持ち悪くなってしまうところが、他にもいくつかあった。
菅首相、よっぽど言葉感覚が鈍感な上に、原稿作成を官僚に任せきりにしたとしか思われない。自分で読んでいる内容に関してしっかりと理解・把握・共感したわけじゃないので、必然的に「訥々とした口先だけ」という印象になってしまう。
あの年になってしまった人に「もっと上手に読め」と言ってもしょうがないが、せめてもう少しだけでいいから、気持ちを込めて読んでもバチは当たらないんじゃないかと思ってしまったよ。いや、あるいはそれも期待しすぎかもしれず、もっとぶっちゃけて言えば、「ちゃんと練習しておいで」ということだ。
というわけで、彼は多分、世界の首脳の中でも断トツでスピーチの下手くそな人だと思う。国会答弁で言っている意味が通じないのも道理である。
あんなにスピーチの下手な人でも首相が務まるというのは、開かれた論議は単なるセレモニーで、実際は裏工作で進むという、我が国の政治風土によるとしか思われない。
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コメント
4:14の「帰還」のイントネーションが「機関」になってるのも気になりました。出身は秋田ですか。まあ訛りなら仕方がないですか。
前首相は漢字が読めないし、なんだかなあという気分です。あ、現財務相よりはマシですかねw
投稿: らむね | 2021年3月12日 16:30
らむね さん:
>4:14の「帰還」のイントネーションが「機関」になってるのも
それもありますね。
秋田出身とはいっても、ネイティブな方言には「帰還」なんて難しい漢語はありませんから、単にテキトーに読んじゃっただけですね。
現財務相は、「言葉の不自由さ」でもちょっと種類が違っていて、あの森喜朗をやや超えるほどの「非常識失言」の多さで目立ってますね ^^;)
投稿: tak | 2021年3月12日 17:57