LGBT 非当事者による「LGBT の自分事化」って?
HUFFPOST に "LGBTQ 非当事者、「知っているけど自分事化できない」が最多 電通がマジョリティ層を分析" という 4月 13日付の記事がある。電通の LGBTQ など性的マイノリティに関する調査「LGBTQ+調査2020」に関するものだが、このタイトルに妙に引っかかってしまった。
私としては LGBTQ そのものにはほとんど引っかかりを感じないが、「自分事化」という言い回しに妙に引っかかってしまったのである。「他人事と思うことの反対なんだろうなあ」と無理に納得してみたものの、「じゃあ、非当事者が他人事じゃなく思うってどういうことだ?」と、さらに引っかかる。
念のため電通のサイトに行ってみると、元記事は "ストレート層を初めてグループ化し、LGBTQ+ に対する意識/知識を分析。調査対象で最も多いのは LGBTQ+ を知ってはいるものの自分事化できていない「知識ある他人事層」" というものだった。どうでもいいけど、タイトルが長すぎる。
この記事をよく読み込んでみると、「LGBTQ+ を知ってはいるけど自分事化できない」というのは、「単に知識として知っているだけで、積極的に支援するわけじゃない」ということのようだ。要するに、本文に出てくる「アクティブサポーター」というわけじゃない存在のことなんだろう。
最近の広告業界では「積極的な共感や関わり」のことを「自分事化」なんて言うのだね。てことは、「無関心」は「他人事化」なんだろう。さらに言えば、「無関心を装う」のは「疑似他人事化」ってわけか。
私の感覚としては、「非当事者」なんだから「自分事化」できないのはごく当たり前の話で、別に無理矢理「我が身に関わること」なんて思う必要はないだろうと考えてしまう。LGBTQ+ については、ただ「それも十分ありだよね」とさらりと認めさえすればいいだけじゃないか。
単純にそう認めるだけで、「同性婚には反対!」なんてことさら声高に言い張らなくてもよくなる。私としてはただ、「あんたが同性と一緒になれって言ってるわけじゃないんだからね」と言ってあげたいのだよ。文字通りに「自分事化」しろってわけじゃないんだから。
【追記】
いずれにしても「他人事」は「たにんごと」じゃなくて「ひとごと」と読みたいものではある(参照)。
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