「ウザいおっさん」になってしまうのが憚られて
ちょっと悩んでしまっている。というのは、関係先の女性スタッフから来たメールに「今後は代替えとして使うことにしましたのでよろしく」なんて表現があったからだ。公式の業務メールだけに、「代替え」という字面にどうしても「うっ!」となってしまったのだよね。
「この場合は『代替』と表記して、『だいたい』と読んでもらう方が、軽々しくみられずに済みますよ」なんてアドバイスをするのは、それほどの手間じゃない。それにその女性スタッフとは日頃からあまりよそよそしくない程度のお付き合いはさせてもらっているので、その方が親切といえば親切だろう。
ただ、つい最近「東洋経済 ONLINE」で "ウザい「教え魔」が日本人に多すぎる訳" なんていう記事を読んでしまったので、そんなように思われるのもナンだしなあと思ってしまったわけである。この記事の冒頭の写真が上のように、いかにも「ウザいおっさん」そのものということも邪魔をする。
私は 2年ちょっと前の "「慣用読み」という便利すぎる言い訳" なんて記事で「代替」というのは「読み違えベスト 10」の 9位にランクされていると書いている。ちなみにトップは 「乳離れ」(正しくは「ちばなれ」)だそうだ。
この記事の中で私は、Amazon ショッピングの「PC 電源代替えボタン」という商品を紹介している。これ、さすがに「ヤバい」ということになったのか、すぐに「PCケース 電源ボタン リセットボタン 移動可能 ボタン スイッチ」なんていう長ったらしい名称に変更されていた。
それが現在ではさらに「PCケース用 電源ボタン」になっていて、「PC 電源代替えボタン」よりずっとわかりにくい表現になっているというのも皮肉な話である。いずれにしてもそんなような(半分は個人的な)裏の事情があるので、軽い気持ちでアドバイスするのを躊躇しちゃってるわけだ。
それにしても「代替」が「だいがえ」と読まれがちなことに関しては既に慣れてしまったが、文字として「代替え」なんて書かれることにはまだ抵抗がある。最近は日本語入力システムが妙に気を利かせすぎで、「だいがえ」という入力であっさり「代替え」に変換してしまうのは、問題ありすぎだよね。
というわけで「ウザいおっさん」と思われるのを憚るあまり、勝手に「悩めるおっさん」になってしまっているのである。
| 固定リンク
「言葉」カテゴリの記事
- 「インフルエンザに効く水」が 2ℓ で 1万円だそうな(2023.06.09)
- 「瞬間地震」という言葉がトレンド入りする世界(2023.06.06)
- 「医者の手書き文字」って、本当に読めない(2023.06.07)
- 「家族 切断」という名前のチェーン理髪店(2023.05.29)
- トイレの注意書きを、山形弁と庄内弁で(2023.05.25)
コメント
>「アドバイスは基本、頼まれない限りは絶対にしないほうがいい」ということです。
その通りです。そうしてますが、業務上、止むを得ず“それは違う、こういう意味だ”と伝えると反応は二種類あります。
一つ目は“そんなん知ってるよ”、二つ目は憮然とする、 です。
教えるって全く割に合わないです。他人が何を間違えようが他人ごとなので無視です。したがって私は悩まないオッサンです。
投稿: ハマッコー | 2021年4月13日 17:02
ハマッコー さん:
>教えるって全く割に合わないです。
それはまったく本当でありますね ^^;)
>一つ目は“そんなん知ってるよ”、二つ目は憮然とする、 です。
私は 三つ目というのも経験してます。
「相手の理解力不足で伝わらない」ってやつです。
どんなに分かりやすく教えても、「はあ?」という感じか、「手応えがないので、伝わったのか伝わってないのかさっぱりわからない」ってなことで終わってしまうことが度々です。
投稿: tak | 2021年4月13日 19:52