オリンピック開催を巡る二階幹事長の雰囲気発言
自民党の二階幹事長が東京オリンピックに関して「これ以上無理だということだったら、すぱっとやめないといけない」と言明したというニュース(参照)を知り、「おお、このおっさんと初めて意見が一致した!」と思ったのだが、どういうわけか、その日のうちに発言がコロリと変わってしまったようだ。
「すぱっとやめないといけない」と言った舌の根も乾かないうちに、「何が何でも開催するのかと問われれば、それは違うという意味で発言した」と、無理矢理気味に釈明する文書を発表した(参照)のだそうだ。何だか知らないが、ちょっと「ヤバい!」と思ったのだろう。
ところがその同じ釈明文書に、「自民党として安全、安心な大会の開催に向け、しっかり支えていくことに変わりはない」とも明記してあるという。「何が何でも開催するというわけではない」のだが、「開催に向け、しっかり支えていく」というのだから、何を言いたいのかさっぱりわからない。
そもそもこの人、今年 1月には「開催しないという考えが(あるなら)聞いてみたい」と、注釈付きでないとわからない言い方もしていたらしい。この人、昔から雰囲気だけでものを言うところがあって、その真意が何なのかは自分でもわかっていないんじゃないかという気がしてしまうのである。
いずれにしても、ここに来て「オリンピック開催は、無理なんじゃないの?」という雰囲気が、与党内にも漂い始めているんじゃあるまいか。この「雰囲気」が「明確な意見」になる前に、二階さんみたいなオッサンがいろいろ言ったり引っ込めたりして周囲の反応を探るということが多い。
いわゆる「観測気球を上げる」ってやつで、自民党が昔から取ってきたスタイルだ。ただ、そんなような手垢の付いたスタイルでやっていこうとしても、オリンピックに限ってはもはや時間がなさ過ぎるので、しょうがないから結局「開催強行」で押し切るほかさそうといった事情も読み取れる。
こっちはもう、知ったことじゃないが。
【4月 17日 追記】
AERA の "二階幹事長「五輪中止」発言 霞が関、永田町で皮肉にも賛同が広がる 「やっちゃった」(二階派幹部)" という記事が笑える。
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